2019 Fiscal Year Research-status Report
パイオニア転写因子BATF-IRF4複合体が制御するCTL分化機序の解明
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19K07476
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
倉知 慎 金沢大学, 医学系, 教授 (00396722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CD8陽性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
①BATF遺伝子改変マウスの導入と交配。BATFノックアウトマウスを購入し、TCR受容体トランスジェニックマウスなどと交配を進めた。将来の養子移入実験に利用できるように、コンジェニックマーカーを有する系統とも交配を重ねている。 ②転写因子強制発現コンストラクトの構築と確認。BATFと関連する転写因子群について、レトロウイルスベクターを用いた強制発現の系を構築中である。BATFノックアウト細胞に様々な転写因子を導入して、レスキューされるかどうかの条件検討を実施した。CD8陽性T細胞の活性化においてBATFの欠損をBATF2やBATF3が補填できることを明らかにした。BATFの変異体を作成し、DNA結合部位がBATFの活性化に重要であることを明らかにした。従来、BATFはAP-1転写因子として他のAP-1転写因子とヘテロ二量体を形成し、DNA結合から解離させることで遺伝子発現を調節すると考えられてきたが、この結果からBATFがCD8陽性T細胞活性化に働く際にはゲノムDNAへの結合が必須であることが明らかとなった。 ③BSL-3感染実験の準備。CD8陽性T細胞が生体防御に働く実際を明らかにするためには、マウスにウイルスを感染させて生体内で数週間にわたる分化を追跡することが欠かせない。そのためには、複数のウイルス種を用いて感染実験が実施できるように、バイオセーフティレベルが3の研究施設があることが望ましい。新型コロナウイルス感染症対策も兼ねて、BSL-3実験設備の導入の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、研究スタッフの出勤制限、教育や管理業務の増加などが2月以降にあった。また、マウスの交配が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響がなくなり次第、研究活動を再開する。
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Causes of Carryover |
マウスの交配が遅延しており、実験計画全体の遅延が生じているため、研究費を次年度に繰り越す必要があった。
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Research Products
(4 results)