2019 Fiscal Year Annual Research Report
Novel regulation of osteoclastogenesis from extramedullary sites
Project/Area Number |
19K07481
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
林 眞一 鳥取大学, 医学部, 教授 (50208617)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨粗鬆症 / 腹腔細胞 / 骨髄 / T細胞 / レチノイン酸合成酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
私は骨吸収を司る破骨細胞分化には、骨髄内T細胞によって調節される分化経路が存在し、その機構は腹腔内の細胞によってさらに制御されていることを見出した。本研究は、一度きりの低張処理により腹腔細胞を除去したマウスでは、等張液処理による対照群に比してM-CSFとRANKLによって誘導される骨髄細胞からの破骨細胞分化誘導が80週以上にわたって半減しており、この処置を行う事で骨量増加がもたらされるであろうと考え、このメカニズムを検討し、関与する細胞群を明確にすることで、骨粗鬆症の予防法・治療法の開発を目指した。 腹腔低張処理により失われる細胞の機能を検討するため、腹腔に特異的に存在すると報告されたレチノイン酸(RA)合成酵素陽性細胞を想定し、低張処理によって低下した破骨細胞分化が最終産物であるRAを添加することで、低下の部分的な回復を観察した。この効果は骨髄T細胞除去の環境では見出せないことから、RAの標的はT細胞と予想された。逆にRAの刺激抑制実験をBMS493によって試みたが、正常骨髄細胞で見出せた抑制は、T細胞除去あるいは腹腔処理した骨髄細胞からの分化では見いだせなかった。腹腔の制御細胞の機能が見えてきたので、骨量の変化との関連をより多くのマウスで期間を分けて測定した。低張処理後、一群4-6匹づつ雌雄それぞれ23-25週後(35-37週齢)と72-80週後(87-94週齢)のマウスの骨量をマイクロCTにて測定をしたところ、以前測定した結果と異なり、比較したどの群においても若干の増加はあるが統計学的有意な増加は見いだせなかった。 大変残念ではあるが低張処理後M-CSFとRANKLによる骨髄細胞からの破骨細胞分化と骨量の間に安定した関連がなく、本研究の目的に必須の骨量変化と処理効果が必ずしも合致していない。継続して研究を続けるポストも維持できず、この時点で本課題を終了することとした。
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Research Products
(5 results)