2021 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性疾患における転写因子MafBの役割の解析
Project/Area Number |
19K07482
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
財賀 大行 香川大学, 医学部, 助教 (40752499)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / インターフェロン / 自己免疫性疾患 / 転写因子MafB |
Outline of Annual Research Achievements |
形質細胞様樹状細胞による過剰なI型インターフェロン産生が、乾癬をはじめとした自己免疫性疾患の発症や病態増悪に関与していることが知られている。これまでに申請者らは、形質細胞様樹状細胞によるインターフェロン産生の調節に転写因子MafBが関与していることをマウス細胞を用いて明らかにしてきた。本研究課題では、乾癬発症モデルマウスを用いて転写因子MafBと乾癬発症との相関関係を明らかにすることを目的とした。 1年目は疾患モデルマウスを用いた実験から、疾患モデルマウスの皮膚患部においてインターフェロンをはじめとしたサイトカイン産生の増加や関連分子の発現量の増減を明らかにした。また疾患モデルマウスをAm80で処理すると転写因子MafBの発現が上昇し、皮膚患部のサイトカイン産生量が抑制されることを明らかにした。 2年目はマウス皮膚患部より病理切片を作製し形質細胞様樹状細胞の局在や転写因子MafBの発現量を解析し、形質細胞様樹状細胞によるMafB発現量の違いが上皮の肥厚や乾癬発症・病態増悪に関与していることを突き止めた。 最終年度はこれまで行ってきたマウスを用いた結果がヒトでも反映されているのかを明らかにするために、ヒト形質細胞様樹状細胞株(CAL-1)を用いて転写因子MafBの発現量やインターフェロン産生量を解析した。その結果、CAL-1細胞でもマウス形質細胞様樹状細胞と同様にTLR刺激をすると転写因子MafBの発現量が減少すること、MafBノックアウトCAL-1細胞では野生型CAL-1細胞に比べてTLR9刺激の際にインターフェロン産生が上昇することが明らかになった。 これらのことから、マウスを用いて明らかになった本研究における乾癬の発症や病態形成のメカニズムがヒトでも再現されていることが示唆された。
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