2021 Fiscal Year Research-status Report
発がん感受性に寄与する表皮細胞とランゲルハンス細胞間の相互作用解析
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19K07494
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
奥村 和弘 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター 実験動物研究部, 研究員 (80584680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 雄一 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター 実験動物研究部, 部長 (40303119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多段階皮膚発がん / がん感受性遺伝子座 / ゲノム編集マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請は皮膚発がん感受性に寄与する表皮細胞(KC)とランゲルハンス細胞(LC)間の相互作用の遺伝学的解析をPak1遺伝子に焦点を当て実施し、発がん感受性に差が生じる機構を明らかにすることを目的とする。当該年度はCRISPR/Cas9法によってPak1の3'UTRの多型についてインビトロおよびインビボの解析を実施した。計画通りにルシフェラーゼ・レポーターアッセイによってPak1の発現に影響するSNPを同定し、そのMSMの多型をFVBに導入した3'UTR編集マウスを作製した。このマウスは発がん抵抗性を示し、皮膚表現型もKOマウスに類似していた。またこの多型は選択的ポリアデニル化に影響し、ロングフォーム型のPak1-3'UTRの形成を促進することをPolyAシークエンスによって明らかにした。さらに、このMSMの多型はTPAによる刺激時にスプライシングなどに関与するRNA結合因子Mbnl1との結合が弱いことが明らかとなり、それによって選択的ポリアデニル化が制御されている可能性を示すことができた。これらのことから、MSMの多型によってPak1の3’UTRの選択的ポリアデニル化が変化し、それによってPak1の発現が発現低下することで腫瘍形成が抑制されることを個体レベルで示すことができた。今後は遅れていた表皮、樹状細胞特異的なコンディショナルPak1KOマウスの解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コンディショナルマウスの遺伝子背景を置き換えるための交配に予想以上に時間がかかっており、マウスの発がん実験や機能解析が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Pak1コンディショナルKOマウスの作製、発がん実験および機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
コロナによる影響とコンディショナルKOマウスの作製に時間を要したため、使用額に差が生じた。
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Research Products
(6 results)