2019 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー・寄生虫感染症克服に向けた好塩基球プロテアーゼの炎症惹起機構解明
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19K07501
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山西 吉典 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10735244)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 好塩基球 / アレルギー / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は下記のごとく好塩基球選択的プロテアーゼ(mMCP-11、mMCP-8)とその欠損マウスの解析を行った。 好塩基球の関与が報告されているアレルギー疾患モデル(アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーなど)をmMCP-11 ノックアウトマウスと野生型マウスで実施し、臨床所見(皮膚の擦過頻度・腫脹・血管透過性、直腸体温低下など)を比較・評価することで、mMCP-11のアレルギー病態形成における生理的機能を解析した。炎症局所・所属リンパ節・末梢血における各種白血球数、サイトカイン・ケモカイン産生量、炎症病理像をFACS、ELISA、Q-PCR、免疫組織染色により定量解析することで、これらアレルギー疾患モデルにおけるmMCP-11の炎症惹起機構を解析した。最近、新しい遺伝子改変法CRISPR/Cas9システムによりmMCP-8ノックアウトマウスの作製に成功した。今後は同マウスでもアレルギー疾患モデルを実施し、これら好塩基球プロテアーゼのアレルギーにおける炎症惹起機能ならびに病態形成における生理的役割を明らかにする予定である。 これまでの実験結果から、mMCP-11が組織液中の何らかの蛋白質を切断し、その分解産物がG蛋白質共役受容体(GPCR)を介して、白血球の炎症局所浸潤を誘発することを見出している。そこで各種生化学的手法を駆使してmMCP-11の標的基質蛋白質の探索を行った。一方、mMCP-8の作用機序はmMCP-11とは異なり、線維芽細胞など皮膚常在細胞に作用しケモカインを産生させることで、白血球浸潤を誘発することが分かっている。そこで線維芽細胞などに存在するmMCP-8の標的受容体を各種分子生物学的手法を駆使して探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していたmMCP-11ノックアウトマウスのアレルギー疾患モデルにおける解析は順調に完遂した。また、予定していたmMCP-11の標的基質蛋白質ならびに、mMCP-8の標的受容体のスクリーニングも順調に推進できた。したがって、研究の進捗状況は概ね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
mMCP-11欠損マウスのアレルギー疾患モデルにおける解析は概ね完遂できたので、今後は感染症モデル等についても注力していく。また、新規に樹立したmMCP-8欠損マウスもアレルギー疾患モデルや感染症モデルを駆使して解析していく。 現時点でmMCP-11の標的基質蛋白質ならびに、mMCP-8の標的受容体の同定には至っていないため、さらに探索の対象範囲を広げて、引き続きスクリーニングを継続していく予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Pivotal role of STIM2, but not STIM1, in IL-4 production by IL-3-stimulated basophils2019
Author(s)
Yoshikawa S, Oh-hora M, Hashimoto R, Miyake K, Adachi T, Kawano Y, Yamanish Y, Kamiya A, Karasuyama H
Organizer
17th IUIS 2019 (International Congress of Immunology)
Int'l Joint Research
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