2020 Fiscal Year Research-status Report
Direct activation of antimalarial immunity by artificial exposure of phosphatidylserine on malaria parasite-infected red blood cells
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19K07521
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東岸 任弘 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (20379093)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マラリア / 感染赤血球 / ホスファチジルセリン / エリプトーシス / 免疫誘導型抗マラリア薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に感染赤血球特異的にホスファチジルセリンを露出させる低分子化合物のスクリーニング法を構築した。しかし病原体であるマラリア原虫を用いたスクリーニングでは1度に準備できる量に限界があり、パラホルムアルデヒド等での固定により廃液が出るなどの問題があった。当初はマラリア原虫を用いたスクリーニングを行っていたが、試験数が少なかったためか有望な低分子化合物は得られなかった。そこで浮遊系のヒト培養細胞を用いたスクリーニング系も併せて構築した。パイロットスクリーニングとしてヒト培養細胞を用いてスクリーニングを行ったところ、複数のポジティブな低分子化合物が取得できた。しかしパイロット試験で取得した低分子化合物はマラリア原虫を用いた本試験においてほとんど効果がみられず、マラリア原虫を用いたスクリーニング法の改善が結局は近道であった。そこでラリア原虫を用いたスクリーニング法を改善しつつスクリーニングを再開した。 前年度においてすでに取得している低分子化合物に関して、当該低分子化合物と結合するマラリア原虫タンパク質のスクリーニングを実施し、候補タンパク質が複数同定した。そこで当該低分子化合物とこれらのタンパク質との相互作用の確認を目的として、組換えタンパク質の合成、さらに検出抗体(抗血清)の作出を行った。しかし組換えタンパク質の収量は低く、マウスに免疫した後に取得した抗血清の感度と特異性も低かった。並行してペプチドを抗原としたウサギ抗血清も作成したが満足のいくものではなかった。引き続き検出抗体の作出を含め作用機序の解明を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までにスクリーニング法を組み立て、今年度は実際にスクリーニングをしつつスクリーニング法の改良に取り組んだが、理想とするホスファチジルセリン誘導活性を持つ化合物が得られていない。さらにスクリーニングを進める必要がある。 作用機序の解明について、候補となるタンパク質分子は見つかったものの、その関連については不明確なままである。
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Strategy for Future Research Activity |
新規低分子化合物のスクリーニングについて、さらに化合物を増やしてスクリーニングを続けると同時に、関連構造の化合物を入手して検討する。 作用機序の解明について、相互作用するタンパク質分子の取得したが、特異性が高く感度の良い検出抗血清・抗体が作出できなかったので、引き続き質の良い検出抗血清・抗体の作成を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で出張がなくなり、旅費が必要なくなったため。また、人件費・謝金の必要が生じなかったため。
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