2020 Fiscal Year Research-status Report
レムールマラリア原虫の分子疫学調査と新規ゲノム解読
Project/Area Number |
19K07527
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
本間 一 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10617468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有末 伸子 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (00242339)
市野 進一郎 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 研究員 (30402754)
塚原 高広 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 客員共同研究員 (90328378)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Plasmodium / キツネザル / マダガスカル / ゲノム / 分子疫学 / 進化系統解析 / 動物園 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマダガスカルの野生キツネザルに寄生するマラリア原虫類の分子疫学および新規ゲノム解析を行うことを目的としているが、コロナ禍の影響で本年度も海外調査はできなかった。そこで、国内の動物園で飼育されているキツネザルの調査を行った。血液試料を提供してもらうことは困難であったため、糞便試料についての調査を行うこととした。国内の3施設よりキツネザル6種とその近縁種1種の糞便検体について合計106個の提供を受けた。そのうち70個について糞便DNAの抽出とホルマリン・酢酸エチル法による便検査を行った。便検査の結果、糞線虫卵、回虫卵、鞭虫卵、コクシジウムオーシストと思われるものが検出された。今後、糞便DNAを用いて真核生物の18S rRNA遺伝子および原核生物の16S rRNA遺伝子を標的としたアンプリコンメタゲノム解析を行い、病原体の網羅的検出を行うとともに、宿主ー寄生虫、宿主ー腸内細菌、腸内細菌ー寄生虫の相互関係を明らかにしていく。その目的のためのプライマーの選定と、宿主DNAの増幅を抑制するためのPNAプローブの設計を行った。なお糞便検体は、複数個体が同一ケージで飼育されている状況で非侵襲的に採集されたケースがほとんどであった。分析する検体の重複性を回避するために排泄個体の識別が必要と考えられたため、糞便DNAを用いて既報のマイクロサテライトマーカーと性判別マーカーの検討を行い11マーカーを選定した。第一世代DNAシーケンサーを用いたフラグメント解析により個体識別を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスSARS-CoV-2の流行拡大は続いていることから海外調査は難しい状況にあり、当初の計画遂行はできなかった。研究の進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったものの今後も海外調査は難しい状況が続くものと予想される。国内動物園より提供いただいた試料について、メタゲノム解析による網羅的な病原体調査を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響もあり当初の研究計画遂行は困難な状況にあり、進捗に遅れが出ていることから次年度使用額が生じた。
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