2022 Fiscal Year Annual Research Report
原虫における小胞体シグナルペプチドに依存しない新規分泌メカニズムの解明
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19K07531
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中野 由美子 (斉藤由美子) 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (30321764)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Rab GTPase / Arf GTPase / Sec7 / メンブレントラフィック |
Outline of Annual Research Achievements |
アピコンプレキサ特異的なN-ミリストイル化修飾をうけるPfRab5bの結合蛋白としてこれまでPfArf1とPfRab1b GTPaseの解析を行った。結合タンパク質にはSec7ドメインを含むタンパクPF3D7_1442900も同定されている。他種生物でSec7はArf1 GTPaseのguanine nucleotide exchange factor グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)と機能をもち、GDP型のArf1をGTP型へと活性化する働きがある。ヒトにはSec7ドメインはタンパク質は複数ゲノムに存在するが、マラリアのSec7はゲノムに1つしか存在せず、ヒトSec7よりも倍の400kDaの大きさを持つ。 PF3D7_1442900は中央にSec7 ドメイン、N末にARMドメイン(Armadillo repeat)、C末はマラリア種間で保存した配列が存在した。マラリアのSec7の機能を解析するために、Plasmodium berghei Sec7 にC末端側にmCherryを融合させたPbSec7-mcherryを発現させる原虫株をsingle crossover法で作成した。赤内期ではmCherryのシグナルは核周辺のドット状構造を示し、 赤内期の進行とともにシグナルのドットの数は多くなった。赤内期の原虫ライセートを還元状態のNuPAGEゲルで泳動を行い、抗mCherry抗体でウエスタンブロットを行うと、400kDaのサイズのバンドが得られ、全長のPbSec7-mCherryが発現していることが分かった。また、非還元状態のBN-PAGEゲルで泳動すると、800kDaのサイズのバンドが得られ、細胞内でPbSec7は二量体を形成、あるいは他のタンパク質と相互作用していることが示された。PbSec7がPfArf1と相互作用していることを確認するために、PbSec7-mCherry とPfArf1-mAGを同時に発現する二重発現株を作成したところ、両者のシグナルは核近傍で一致した。よって、ミリストイル化Rab5bの結合タンパク質Sec7とArf1は、核近傍で輸送調節を行っていることが考えられた。
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[Journal Article] Attenuation of In Vitro and In Vivo Virulence Is Associated with Repression of Gene Expression of AIG1 Gene in Entamoeba histolytica2023
Author(s)
Lozano-Mendoza J, Ramirez-Montiel F, Rangel-Serrano A, Paramo-Perez I, Mendoza-Macias C, Saavedra-Salazar F, Franco B, Vargas-Maya N, Jeelani G, Saito-Nakano Y, Anaya-Velazquez F, Nozaki T, Padilla-Vaca F
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Journal Title
Pathogens
Volume: 12
Pages: 489~489
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] 婦人科におけるトリコモナスの無症侯感染とメトロニダゾール感受性2022
Author(s)
中野 由美子, 梅木 優子, 下川 周子, 小林 浩一, 橋本耕一, 髙田恭臣, 牧井千波, 長谷部里衣, 吉田友里, 中島理子, 小林 正規, 久枝 一
Organizer
第91回日本寄生虫学会大会
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