2019 Fiscal Year Research-status Report
Functional analyses of unknown factors related to meningococcal pathogenesis with unnatural amino acids
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19K07550
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 英之 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (60321866)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 髄膜炎菌 / 非天然アミノ酸 / クロスリンカー / Methanosarcina mazei / Neisseria meningitidis |
Outline of Annual Research Achievements |
髄膜炎菌に非天然アミノ酸の導入成功例はないため、まずMethanosarcina mazeiのpylRS及びpylT遺伝子を導入し、さらに髄膜炎菌opaD遺伝子の95番目のリジンをアンバー変異に置換した変異体をIncQプラスミド上で作成し、髄膜炎菌に導入した。非天然アミノ酸クロスリンカーmAzZLys及びpBPaをGC寒天培地に添加して一晩培養した結果、mAzZLys及びpBPa存在下のみで髄膜炎菌内にフルサイズのOpaDの発現がWestern blottingで検出された。また、その導入効率は野生型OpaDと比較してmAzZLysは約23%、pBPaは約63%とpBPaの方が高効率である事が明らかとなった。さらに、細胞内でdimerを形成することが明らかとなってるグルタチオンシストランスフェラーゼ(gst)の51番目グルタミン酸(E51amb)、52番目フェニルアラニン(P52amb)をアンバー変異に置換した変異体をIncQプラスミド上で作成し、髄膜炎菌に導入してその動態を検証した。その結果、まず、pBPaはE51amb、P52amb両変異体に約35%程度の導入率で導入可能である事が明らかとなった一方で、mAzZLysはP52amb変異体には導入可能であったが、E51ambには導入されず、アンバー変異の位置と非天然アミノ酸の種類によっては導入不可能な場合もある事が明らかとなった。さらに、GST E51(mAzZLys)、GST E51(pBPa)、そしてGST P52(pBPa)の紫外線(UV)クロスリンキングによる生体内二量体の形成の時間依存性を検証した結果、GST P52(pBPa)のみが30分、1時間とUV照射時間が増えるにつれて二量体の量が増加し、2時間で生体内のGST全量が二量体する事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Methanosarcina mazeiのiのpylRS及びpylT遺伝子を髄膜炎菌に導入し、OpaDやGSTといった既知の遺伝子にアンバー変異を導入した実験系において、非天然アミノ酸をMethanosarcina mazeiのiのpylRS及びpylT遺伝子が髄膜炎菌の翻訳システムと競合する事なく機能して、髄膜炎菌内で目的の分子に非天然アミノ酸クロスリンカーを導入する系を確立出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
機能未知タンパクNMB1345遺伝子のタンパク産物にはリジンが30あり、細胞表面に存在すると推測されるため、それらのリジン残基一つ一つをアンバー変異に置換したNMB1345アンバー変異体シリーズを作成し、どのアンバー変異体が髄膜炎菌でNMB1345と近位にある内在タンパクとクルスリンクするかを検証する。
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Causes of Carryover |
前年度に購入した試薬や消耗品を用いた実験が多く、新たに購入する物品数が事実上少なくて2019年度の消費予算が予定より済んでしまった。 今年度は前年度以上の新規消耗品の必要性が予想されるため、前年度に使われなかった分の予算が今年度に使用される予定となっている。
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Research Products
(5 results)