2020 Fiscal Year Research-status Report
Functional analyses of unknown factors related to meningococcal pathogenesis with unnatural amino acids
Project/Area Number |
19K07550
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 英之 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (60321866)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 髄膜炎菌 / 非天然アミノ酸 / クロスリンク / 線毛 / 感染 / Neisseria meningitides / 病原性 / PamA |
Outline of Annual Research Achievements |
過去に行なったヒト脳血管内皮細胞(HBMEC)への侵入能のみが著しく欠損した髄膜炎菌変異株を単離したが、その原因遺伝子は機能未知タンパクをコードした遺伝子NMB1345であった。本年度は昨年度確立した髄膜炎菌における遺伝暗号拡張による非天然型アミノ酸導入法を用いて、非天然型アミノ酸光クロスリンカーをNMB1345 分子内に特異的に導入し、NMB1345 と相互作用因子を生化学的・物理化学手法を用いて髄膜炎菌内で探索することを試みた。NMB1345分子とクロスリンクした蛋白を生化学的に精製後、LC-MS/MS及びMASCOTによる同定を行い、線毛の主要蛋白であるPilEであることが明らかとなった。線毛は髄膜炎菌の宿主細胞への接着及び侵襲に関して非常に重要な役割を担っている事が明らかとなっており、この結果は過去の知見とも非常に合致すると考えられた。NMB1345を Pili associated molecule A (PamA)と命名し、さらにPamAとPilEの相互作用による機能解析を行うため、PamAとPilEのクロスリンクしているアミノ酸部位をLC-MS/MSを用いて同定した。その結果、PamAの278番目のリジンに導入した非天然アミノ酸型クロスリンカーはPilEの12番目のイソロイシン(I12)にクロスリンクしている事が明らかとなった。さらにPilEのI12をアラニンに置換したpilE I12A 変異体を構築し、HBMECへの感染における影響を解析した結果、pilE I12A 変異体は野生株に比べて細胞侵襲能が低下しており、また生化学的解析からPamAとPilE I12Aの相互作用は野生株に比べて著しく低下している事が明らかとなった。以上の結果から、機能未知であった髄膜炎菌PamA因子は線毛と相互作用することに髄膜炎菌の病原性を促進している分子機序が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
髄膜炎菌における遺伝暗号拡張による非天然型アミノ酸導入法を用いて、非天然型アミノ酸光クロスリンカーを機能未知タンパクNMB1345に髄膜炎菌内で導入し、その相互作用タンパクが髄膜炎菌の宿主細胞感染に非常に重要な機能を担っている線毛の主成分PilEであることを突き止め、機能未知タンパクNMB1345の髄膜炎菌の宿主細胞感染機序における役割を明らかにすることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
機能は不明瞭であるが髄膜炎菌の宿主細胞感染に寄与しているTspAタンパクの機能解析をNMB1345タンパクの解析と同様のストラテジーを用いて解明する予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者による消耗品の実費負担がお願いできた為、代表研究者の支出が計画より少なくなった為。
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Research Products
(4 results)