2023 Fiscal Year Research-status Report
ブルーリ潰瘍(M.ulcerans感染症)における無痛性病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K07557
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
後藤 正道 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80325779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20206478)
圓 純一郎 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30587879)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Mycolactone / 細胞傷害 / 無痛性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ブルーリ潰瘍におけるM. ulcerans subsp. shinshuense、M. ulcerans及びmycolactone A/B、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索及び受容体・シグナル伝達経路の同定により、ブルーリ潰瘍における無痛性及び有痛性病変成立のメカニズムを明らかにするものである。 2023年度は、供給が途絶えているmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2をWHOの協力を得て新たに入手して実験を行う予定で準備を進めていた。さらに、University of StrasbourgのDr. Nicolasが新規で合成mycolactoneの作成を始めており、そちらからも出来上がり次第提供していただくことになっていた。この両者から提供されたmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索もしくは、受容体・シグナル伝達経路を同定するために、Mycolactone により引き起こされる細胞動態の詳細な解析を行う。まず、蛍光標識したmycolactone を用いて、反応する細胞の主体を明らかにする。また、次世代シークエンサーによるRNA-seq解析を行い、末梢神経障害に寄与する遺伝子発現変化を明らかにするものである。 さらに、培養シュワン細胞・線維芽細胞・マクロファージにM. ulcerans subsp.shinshuense、M. ulcerans及び他の抗酸菌(M. marinum、M. avium等)を感染させ、細胞内への菌の取り込み、細胞形態の変化、細胞膜破損の有無、アポトーシスの有無などを検討する。これらの結果と、mycolactoneによる培養細胞の変化との比較を行うにより、シュワン細胞と他の細胞の細胞障害パターンの違いを明らかにするものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、供給が途絶えているmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2をWHOの協力を得て新たに入手して実験を行い、さらに、University of StrasbourgのDr. Nicolasが新規で合成mycolactoneの作成を始めており、そちらからも出来上がり次第提供していただくことになっていた。この両者から提供されたmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索もしくは、受容体・シグナル伝達経路を同定するために、Mycolactone により引き起こされる細胞動態の詳細な解析を行う。まず、蛍光標識したmycolactone を用いて、反応する細胞の主体を明らかにする予定であり、また、次世代シークエンサーによるRNA-seq解析を行い、末梢神経障害に寄与する遺伝子発現変化を明らかにする予定であった。しかし、合成mycolactoneの作成が遅れており、入手出来ていないため実験を進めることが出来ていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、入手が遅れているmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2がWHO及びUniversity of StrasbourgのDr. Nicolasから提供され次第、この両者から提供されたmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索もしくは、受容体・シグナル伝達経路を同定するために、Mycolactone により引き起こされる細胞動態の詳細な解析を行う。まず、蛍光標識したmycolactone を用いて、反応する細胞の主体を明らかにする。また、次世代シークエンサーによるRNA-seq解析を行い、末梢神経障害に寄与する遺伝子発現変化を明らかにする。 さらに、培養シュワン細胞・線維芽細胞・マクロファージにM. ulcerans subsp.shinshuense、M. ulcerans及び他の抗酸菌(M. marinum、M. avium等)を感染させ、細胞内への菌の取り込み、細胞形態の変化、細胞膜破損の有無、アポトーシスの有無などを検討する。これらの結果と、mycolactoneによる培養細胞の変化 との比較を行うにより、シュワン細胞と他の細胞の細胞障害パターンの違いを明らかにする。
|
Causes of Carryover |
2023年度にMycolactoneの入手が遅れていた関係で実験が進んでいない部分があり、研究費に未使用金額が発生している。2024年度は、2023年度で遅れている実験を進めるため、実験用細胞の購入や実験に使用する培地、ディスポーザブル器具等を購入するのに使用する。また、論文発表の準備を進めているため投稿費用として使用する予定である。
|