2021 Fiscal Year Research-status Report
好中球細胞外小胞エクトソームの敗血症治療への応用を目指して
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19K07562
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
熊谷 由美 順天堂大学, 医学部, 助教 (90277591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
長岡 功 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (60164399)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / 敗血症 / 好中球 / LL-37 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの骨髄から単離した好中球を生体防御ペプチドLL-37で刺激したときに放出された細胞外小胞 (Extracellular vesicles, EV) LL-37-PMN-EVは、敗血症モデルマウスの致死率を減少させることをこれまでに明らかにしてきた。今年度は、敗血症マウスにLL-37-PMN-EVあるいはコントロールのPBSを注入し、20時間放置後に各臓器(肺、脳、腎臓、脳)を取り出し、組織染色を行なって病態の変化を観察した。その結果、LL-37-PMN-EV 注入により、特に肺において、炎症の程度が軽減していることが明らかとなった。
また、LL-37-PMN-EVの生理的な標的細胞を検出するために、好中球由来のEVにCreをloadさせ、loxP-red fluorescent-loxP-green fluorescentの配列を導入したレポーターマウスを用いる系を確立している。そのために、好中球を効率よくtransfectionする必要があるが、好中球のtransfectionは非常に困難で世界的にも数報しか成功事例がない。本年度は、約90%の好中球がtransfectionされる系の開発に成功した。またレポータープラスミドを作製し、培養細胞の系で機能することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画はほぼ終了し、EVの標的細胞を同定するための実験系を構築するプロジェクトへ移行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 一細胞解像度、三次元的解析によるEVの標的細胞の同定 (in vivo・ex vivo実験):EVが取り込まれた細胞が蛍光を発するレポーターマウスを利用して、好中球EVの肺における標的細胞を、組織透明化技術・一細胞解像度のイメージング技術を利用して、三次元的に一細胞レベルで解析する。 2. EVの標的細胞に対する抗炎症・細胞死抑制作用の評価 (ex vivo・in vitro実験) 3. 抗炎症・細胞死抑制作用に関係する好中球EVの因子の同定 (ex vivo・in vitro・ in vivo実験) 4. ヒト好中球由来EVへの適用 (ex vivo・ in vitro実験) :ヒト好中球をLL-37で刺激した時に生成されるEVにも、標的細胞に対する同様の抗炎症・細胞死抑
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Causes of Carryover |
研究が予定より順調に行き、必要な動物や試薬等が当初の想定よりも少なく済んだため、次年度使用額が生じた。しかし、本研究の成果を、今後の研究の発展につななげるために、さらに研究費を要するので翌年度分として申請した。
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Research Products
(3 results)