2021 Fiscal Year Annual Research Report
Influences of the HTLV-1 viral activities in the determination of the infected cell-fate via hijacking the micro-environment of infected cells
Project/Area Number |
19K07573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 和民 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (60549591)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HTLV-1 / Rex / Tax / HBZ / ウイルスタンパク質の相互作用 / primary PBMC感染実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はRex/Tax/HBZ共発現CEM細胞の樹立に成功した。CEM細胞にレトロウイルス発現系を用いてRexを発現させpuromycin selectionの後、HBZ/VenusおよびTax/dTomatoをそれぞれ発現するレンチウイルスを共感染させ、Venus(+)/dTomato(+)細胞をソーティングし、Rex/Tax/Hbz共発現細胞を得た。この細胞についても遺伝子発現マイクロアレイ解析を行い、前年度までに取得していたRex/TaxまたはRex/HBZ共発現細胞データと統合解析を行うことにより、ヒトT細胞の遺伝子発現プロファイルが、Rex、Tax、HBZ単独、Rex/Tax、Tax/HBZ、Rex/HBZ共発現細胞、さらにRex/Tax/HBZ共発現細胞の順にHTLV-1感染細胞の状態に近づくことが分かった。また前年度に確立したHTLV-1感染性プラスミド(pX1-MT-M)からの感染性HTLV-1ウイルス粒子産生系を用いて、HTLV-1のヒトprimary PBMCへの感染を試みた。健常人4人のPBMCをHTLV-1ウイルス粒子を含む293FT細胞培養液に懸濁し、2000rpm, 35℃, 2hの緩い遠心で感染を促進後、約1ヶ月に渡ってRPMI+10%FBS中で培養した。1ヶ月後にprovirus量(PVL)を測定した結果、5~15%の感染細胞が検出され、全ての検体で感染成立が確認できた。既存のHTLV-1産生細胞MT-2との共培養などによる人工的感染実験では、感染後数週間で100%を超えるPVLが検出され、重複感染など人体内では起こり得ない現象が生じていた。この度HTLV-1ウイルス粒子を無細胞系でPBMCに感染させることにより、より現実的な感染状態がin vitroで高効率に再現できることが分かった。
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Research Products
(5 results)