2020 Fiscal Year Research-status Report
マウスヘルペスウイルス68初感染マウスに生じる肝炎における腸内細菌の役割の解析
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19K07577
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金井 亨輔 鳥取大学, 医学部, 講師 (20596621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Epstein-Barr virus / Murine herpesvirus 68 |
Outline of Annual Research Achievements |
EBウイルス(Epstein-Barr Virus, EBV)に初感染した成人に発症するInfectious Mononucleosis (IM) は稀に重篤な肝炎を起こす。慢性活動性EBV感染症 (CAEBV)では症例の47%に肝炎が見られる。これらEBV肝炎はCD8+T細胞集積を特徴とするがEBVは肝細胞に感染しないことからその発症機構はよく分かっていない。我々はEBV肝炎の発症に腸内細菌が関わっているという仮説を立てた。IMのモデルとして用いられるMHV68感染マウスの飲水中にNeomycinを加え腸内細菌を除く実験を行った結果、Neomycin投与MHV68感染マウスでは体重減少の抑制、肝逸脱酵素量減少、浸潤CD8+T細胞数の減少、CXCR3リガンドケモカイン産生の減少が見られた。これらの結果から、門脈を介して肝臓に運ばれる腸内細菌産物がCXCR3リガンドケモカインの産生亢進に寄与し、結果としてCD8+T細胞の肝臓への浸潤を促進することで肝炎が生じている可能性をこれまでに示した。 本研究において、MHV68肝炎を引き起こす腸内細菌産物を明らかにするための解析を行った。腸内細菌産物の一つであるLPSは血管内皮細胞または線維芽細胞に発現しているToll-like receptor (TLR) -4がレセプターとなる。MHV68初感染マウスにTLR4の阻害剤であるC34を腹腔内に投与したところ、体重減少の抑制、末梢血中のAST、ALT量の減少、IFNγ+CD8+T細胞の浸潤の抑制、CXCR3リガンドケモカイン産生の抑制がみられた。一方でPDGの受容体であるTLR2を中和抗体を用いて阻害しても肝炎の抑制は見られなかった。これらの結果はMHV68肝炎の発症にはPDGではなくLPSが関与している可能性を示し、EBV肝炎がC34を用いることで治療できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBV関連肝炎の発症においてどのような腸内細菌産物が関与するのかを明らかにするために、IMのモデルとして用いられているMHV68感染マウスを用いて肝炎の発症における腸内細菌由来産物の解析を行った。その結果、LPSがMHV68初感染マウスに生じる肝炎の発症に関与する可能性が示された。このことから、本研究課題は原点で概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題の中心的な課題となるMHV68初感染マウスに肝機能障害を引き起こす腸内細菌由来産物が少なくとも1つは見出されていることから、今後肝炎の発症機構の詳細を解析していくとともに現時点までの研究成果を論文としてまとめ投稿する予定である。
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Research Products
(2 results)