2021 Fiscal Year Annual Research Report
Role of TLR9 in the pathogenesis of ANCA-associated vasculitis
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19K07602
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古田 俊介 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10422221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ANCA関連血管炎 / BAFF / APRIL |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ANCA関連血管炎(AAV)の病態形成におけるB細胞の重要性が示唆され、その後の複数の臨床試験によりB細胞を標的とした治療がAAVに有効であることが証明された。本申請研究では、B細胞におけるToll like receptor 9(TLR9)やその下流分子であるNuclear factor kappa B (NF-kB)などのAAV発症における役割を明らかにすることを目的とした。まず、AAV患者における血清中のサイトカインの値を測定したところ、IL-1Ra、IL-5、IL-15、IP-10などの上昇が認められたが、IL-6の上昇は認められなかった。当初の計画では、AAVの活動期にはTLR9の刺激を介してB細胞が活性化されIL-6の産生が誘発されることを予測していたが、患者血清を用いた検討の結果は予想と異なっていたため、B細胞内NF-kBシグナルを活性化させるものとして、B cell activating factor belonging to the tumor necrosis factor family (BAFF)、A proliferation-inducing ligand (APRIL)を想定した。21人の初発AAV患者血清中のBAFFとAPRILを測定し、健常者や大血管炎患者のものと比較したところ、BAFF、APRIL共にAAV患者で優位に上昇していた。さらにAAV活動性の臨床指標であるCRPの値と血清中BAFF濃度が有意に相関していることが判明した。次にBAFF、APRIL濃度がRituximabによる治療の前後でどのように推移するか検討したところ、BAFFやAPRILの濃度は治療前後で変化がないことが明らかとなった。以上の結果から、BAFF、APRILによるB細胞の活性化はAAVの病態形成に重要な役割を果たしていると考えられる。
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