2020 Fiscal Year Research-status Report
"Allergy via Intestine" and "Allergy via Skin"
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19K07611
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山下 弘高 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40453055)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食物アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主として、消化管からはじまる食物アレルギーの発症機序の解明を行った。これまでに、食物抗原として卵白アルブミン (ovalubumin, OVA) を用いたマウス食物アレルギーモデルを作製し、そのモデルを改変し、経口免疫寛容モデルを作製した。経口免疫寛容モデルでは、あらかじめ OVA をマウスに摂取させておくと、OVAを腹腔内注射したとしても、OVA に対する感作が抑制され、OVA に対する IgE が全く上昇しないことを確認した。さらには、経口免疫寛容モデルにおいて、経口免疫寛容の誘導操作時に、人工甘味料であるサッカリンを同時に経口摂取させることで OVA に対する感作が再び成立し、経口免疫寛容の獲得が阻害されることを報告した。これらのことから、消化管に対して強い負荷をかけることで、何らかの因子が働き、免疫バランスを寛容からアレルギー状態に変化させると推測された。 昨年度の実験では、経口免疫寛容を誘導したマウスとサッカリンによって経口免疫寛容を破綻させたマウスの腸間膜リンパ節において、マイクロアレイによる遺伝子発現パターンの比較検討を行った。本年度は、昨年度に得られたマイクロアレイの結果を解析し、得られた情報の妥当性を評価した。経口免疫寛容を誘導したマウスの腸間膜リンパ節では、複数の酵素発現が上昇していた。そこで、遺伝子発現が上昇していた酵素に対する非特異的阻害剤を、経口免疫寛容の獲得操作前に投与することによって、この酵素の経口免疫寛容獲得に対する作用を検討した。しかしながら、酵素阻害剤の投与による食物アレルギー発症への顕著な作用は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、異動により実験環境が変化したことや、COVID-19 の影響で実験が中断してしまったことなどにより、動物実験の回数が減ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
皮膚からはじまる食物アレルギーの実験があまり進んでいないため、まずは経皮感作による食物アレルギーモデルの確認を行い、その後、マイクロアレイで得られたデータの整合性の確認を行う予定である。
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Research Products
(3 results)