2021 Fiscal Year Annual Research Report
Affinity maturation of anti-DNA B cells in systemic lupus erythematosus
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19K07622
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榊原 修平 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 寄附研究部門准教授 (10618838)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / 免疫寛容 / アナジー / 抗dsDNA抗体 / 全身性エリテマトーデス |
Outline of Annual Research Achievements |
急性期SLE患者由来抗DNA抗体クローンの可変領域から体細胞変異を除いた配列を、マウスの免疫グロブリン遺伝子座に挿入し、低親和性抗ssDNA BCRを発現する独自のノックイン(KI)マウスG9gl を作製した。このG9glマウスの産生する成熟ナイーブB細胞を疾患関連自己抗体の産生細胞の前駆細胞と位置づけた独自の実験系において、様々な状況下における自己反応性B細胞の挙動を観察し、どのようなメカニズムで抗DNA抗体産生が制御され、どのような異常でその親和性成熟が起こるのかを明らかにすることを目指した。 このG9glマウスの産生するB細胞の大部分は、骨髄においてレセプター編集されていた。しかし、G9gl BCRを発現するB細胞の一部も成熟ナイーブB細胞へと分化する。遺伝子発現解析から、G9gl B細胞は既報の自己反応性BCR発現モデルと同様にアナジーに陥っていた。このG9gl B細胞を疾患関連自己抗体の産生細胞の前駆細胞と位置づけ、様々な状況下における自己反応性B細胞の挙動を観察した。 キャリアータンパク質を持つDNAをG9glマウスに免疫した場合、自己抗体価の上昇と胚中心形成が顕著に認められたが、G9gl BCRを発現する細胞は胚中心B細胞分画にはほとんど認めず、その一方でIgGメモリーB細胞へ分化した。このことから、ヘルパーT細胞の存在下でも、自己反応性前駆B細胞の活性化と胚中心B細胞への分化は著しく阻害されていた。また、ここで誘導されるG9glメモリーB細胞も、繰り返しDNAを免疫しても、形質芽細胞への分化することはなかったことから、メモリーB細胞から形質芽細胞への分化段階の間で、免疫寛容チェックポイントが存在することが示された。
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