2019 Fiscal Year Research-status Report
CUX1、miR-145の両ハプロ不全によるクローン性進化獲得機序の解明と制御
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19K07637
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
細野 奈穂子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (50509312)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CUX1 / TGF-B / mir-145 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、7番染色体上の高頻度欠失部位に位置する、転写因子であるCUX1の欠失による機能不全細胞における、①TGF-β発現に伴うDNA修復不全、②miR-145発現低下によるTGF-βを介したDNA修復不全、③miR-145発現低下に伴う染色体転座の易誘導性、④TGF-β阻害剤添加によるDNA修復機構の回復、⑤5番・7番染色体欠失白血病細胞株におけるTGF-β阻害剤によるDNA修復機構の回復を行い、これらの事象が骨髄性白血病細胞株の染色体欠失時においても同様に再現できるか検証を行うことで、難治性del(5q)/del(7q)の骨髄系悪性腫瘍のクローン性進化を獲得する分子機構を解明することを目的としている。 今年度は、骨髄性白血病細胞株のうち、以下の3株(KG-1細胞:5番7番欠失を伴う、HL-60細胞:5番欠失を伴う、SKM-1細胞:5番7番は保持)を用いて、CUX1、TGF-βおよびmiR-145の発現の検討をおこなった。これらの細胞における検討では、CUX1、TGF-β、miR-145の発現と5番、7番染色体の欠失との間に相関関係は見いだせなかった。これらの3種の骨髄性白血病細胞株を用いて、TGF-βの強発現系またはmir-145低発現系を作成し、TGF-β阻害剤、miR-145阻害剤を併用し、トポイソメラーゼ阻害活性を有するetoposide投与化におけるDNA修復能の評価をコメットアッセイ法を用いて今後検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は Cux1遺伝子の欠損または欠失ヘテロマウス胎児線維芽細胞(MEFCux1+/-, MEFCux1-/-)を用い、TGF-βの遺伝子導入を行い過剰発現系を作成し(MEFCux1+/-,TGFβ, MEFCux1-/- TGFβ)、これらの細胞におけるetoposide添加によるDNA修復能をコメットアッセイ法にて評価を行う予定であったが、職務内容の変更により、遺伝子導入実験ならびにコメットアッセイなどの連日して行う実験系の実施が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定とは前後し、上述の発現を確認した腫瘍細胞において、遺伝子導入実験を行い、CUX1低発現細胞、miR-145低発現細胞を作成し、TGF-β阻害剤添加によるDNA修復能の評価を行う。その上で、TGF-β高発現系におけるDNA修復能の評価を行い、etoposide添加後の染色体転座の易誘導性をCUX1機能不全細胞におけるTGF-βまたはmiR-145の発現割合に応じて比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れたため、予定していた試薬・資料の購入に遅れが生じた。次年度に使用継続予定である。
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