2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K07653
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤井 眞一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (10392094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 佳奈子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (20391980)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨髄腫 / 自然免疫 / 獲得免疫 / 免疫ランドスケープ |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性骨髄腫(Multiple myeloma; MM)は、造血幹細胞より分化した形質細胞の腫瘍であり、免疫系細胞の腫瘍化である。またMMはゲノム不安定性を有し、細胞遺伝学的に不均一で、初発時より複数のクローンが競合的あるいは協調的に存在するといわれている。病態進行には、腫瘍微小環境(Tumor microenvironment; TME)におけるストローマ細胞や破骨細胞など骨髄ニッチの関与が明らかになりつつあるが、免疫細胞の役割は散発的な報告はあるものの不明な点が多い。我々はこれまで、免疫系の初期防御として機能する自然リンパ球(NKT細胞、及びNK細胞)に着目して、MMにおけるこれらの細胞群の数的、機能的解析を行い、保存されている症例と低下している症例があることを報告してきた。本研究では、さらにマスサイトメトリーを利用して多スケールの免疫プロファイリングを行うことにより、MMのTMEの免疫細胞ランドスケープを検証することを目的とした。先ず、健常人検体を用いて各免疫細胞の細胞頻度および表現型のフローサイトメトリーのデータを参考に、マスサイトメリーの抗体パネルパターンの最適化を行い、共同研究機関から提供されたMM症例(Stage I-III)末梢血および骨髄検体を解析した。NK細胞に着目し、他の免疫細胞との関連を調べたところ、NK細胞とCD8T TEMRA サブセットの正の相関、骨髄及び末梢におけるNK細胞の機能を示す活性化マーカーCD226及びNKG2Dの発現に違いがみられることが判った。免疫プロファイルと病態との関連は、将来的にバイオマーカー探索の糸口になりうると考えられる。
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