2021 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics of GMN cancer cells: Synergistic effect on cancer malignant alteration by CAF
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19K07681
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
伊藤 剛 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60607563)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癌関連線維芽細胞 / 細胞分裂 / 浸潤 / 上皮間葉転換 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
巨核・多核であるGMN(Giant/Multi-Nucleated)癌細胞とCAF(Cancer associated fibroblasts)の応答による癌増悪メカニズムの解明を目的とした。SAS(口腔扁平上皮癌株)やOCUM-12(スキルス胃癌株)に対して微小管重合阻害剤による分裂異常を誘導し、巨核・多核のGMN-SAS、-OCUM-12を産生した。まず、マイクロアレイ解析によりコントロールSAS細胞とGMN-SASの発現遺伝子を比較した結果、GMN-SAS癌細胞での炎症性サイトカイン産生が確認された。マウス皮下にGMN癌細胞を移植後、免疫化学染色により腫瘍部の炎症性を検討した結果、GMN癌細胞周辺にCOX2陽性の線維芽細胞が観察された。GMN-SASや-OCUM-12癌細胞の培養上清でヒト胎児肺線維芽細胞(TIG-20-1細胞株)を刺激した場合、線維芽細胞での炎症性サイトカイン(IL-1B、IL-6、GM-CSFなど)やCOX2の発現誘導が認められた。GMN癌細胞の産生するIL-1BやIL-6は線維芽細胞におけるCOX2発現誘導に重要であることを明らかにした。GMN癌細胞は周辺の線維芽細胞に強い炎症応答を起こすと考えられた。 マウス皮下に移植したGMN癌細胞による腫瘍組織は、分散傾向が強く浸潤しやすい。CAFが産生する上皮間葉転換(EMT)因子であるTGF-BやHGFは癌の分散に働くことが知られており、GMN癌細胞はこれら因子に対する感受性が亢進している事を見出した。この事は、腫瘍組織におけるEMTとそれに伴う癌浸潤の亢進につながると想定している。
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Research Products
(8 results)