2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a selective inhibitor of Activin and its application in a cancer-bearing mouse model
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19K07683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森川 真大 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80775833)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アクチビン / ミオスタチン / 抗ミオスタチン療法 / 骨格筋肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、TGF-βファミリー分子の一つであるアクチビンとそれに極めて類似する一部ファミリー分子を選択的に阻害する新規Fc融合蛋白を開発し評価することを目指す。既に精製法は確立しており、この精製法を用いて当該Fc融合蛋白を大量調整し、担癌マウスモデルを用いて治療効果の有無を評価する。 2019年度は、新規Fc融合蛋白、コントロールFc蛋白の大量調整を行い、10 mgオーダーで精製蛋白を得た。このFc融合蛋白をin vitroで評価し、アクチビン、GDF8、GDF11に対する結合能を確認した。また、TGF-β、BMP9などの他のファミリー分子とは結合しないことを確認した。一方、レポーター細胞を用いた評価系も確立し、Fc融合蛋白がアクチビン、GDF8、GDF11を阻害し、BMP6、BMP9を阻害しないことを確認した。 当該Fc融合蛋白がin vitroで機能することを確認し、十分量確保できたことから、マウスを用いた生体での実験も開始した。まず投与法の最適化をはかるため、正常マウスを用いて投与実験を行った。尾静注、腹腔注、皮下注といった投与法を用いた全身投与では、当該Fc融合蛋白の血中濃度が上昇しないことが明らかになった。免疫組織染色法を用いて詳細に検討した結果、当該Fc融合蛋白は肝臓を中心に沈着していることが明らかになった。一方、局所投与で効果が認められるか否かも確認した。当該Fc融合蛋白を骨格筋に直接筋注した場合、骨格筋肥大が認められ、治療効果が確認できた。従って、担癌マウスモデルでの評価を行う際には、現在のFc融合蛋白であれば腫瘍や筋肉への局所投与が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までで、新規Fc融合蛋白の大量調整が予定通り完了し、in vitro、培養細胞での評価も完了している。さらに、ミオスタチンを阻害した効果と考えられるが、正常マウスでの局所投与で筋肥大を認め、治療効果も期待できる結果も得ている。 おおむね予定通り順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
大量調整済みの当該Fc融合蛋白を用い、担癌モデルマウスでの治療効果を評価する。 また、タンパク質工学の手法や薬物送達システムを用い、当該Fc融合蛋白を全身投与可能にする方法を検討する。
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Causes of Carryover |
投与法の最適化をはかるため、正常マウスを用いて投与実験を実施した。その際、全身投与では、当該Fc融合蛋白の血中濃度が上昇しないことが明らかになったため、一旦動物実験を中断し、原因究明に集中した。このため、当初予定していた動物実験(治療効果判定)の一部を翌年度以降に実施する予定とした。 尚、当該Fc融合蛋白が局所投与で治療効果が認められることが予備実験より明らかになっており、より詳細に検討する動物実験(治療効果判定)は、当初予定通り実施する。
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Research Products
(1 results)