2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evolutionary machanism of pancreatic ductal adenocarcinoma mediated by (pro)renin receptor
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19K07690
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
柴山 弓季 香川大学, 医学部, 研究員 (90401190)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | (プロ)レニン受容体 / 膵管癌 / ゲノム不安定性 / ドライバー遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(プロ)レニン受容体(以下、(P)RR)を強制発現させたヒト膵管上皮細胞を用いてヒト膵管癌の進化パターンを検証することを目的にしている。2021年度では、膵管癌の代表的なドライバー遺伝子の変異が検出された(P)RR過剰発現ヒト膵管上皮細胞(HPDE-1/E6E7)の継代数20を用いて、KRAS, p16におけるアミノ酸の変化を伴う非同義置換の有無の検証および、これまでに報告されたヒトの膵管癌組織との変異パターンとの比較検討を実施した。 1.KRASのexon1では、(P)RR過剰発現によって9個の非同義置換が認められた。ヒトの膵管癌組織の体細胞突然変異および染色体構造変異を解析したNotta et al.(2016)においてもKRASの非同義置換の存在が認められており、(P)RR過剰発現によって生じたKRASの変異パターンとヒトの膵管癌組織で得られた変異パターンが一致することが判明した。 2.p16のexon1では、(P)RR過剰発現によって欠失、非同義置換、欠失が生じた結果、三つ組みの読み枠がずれて起こるレームシフト変異が検出された。ヒトの膵管癌組織においてもこれら3つの変異パターンが検出されており、KRASと同様にp16についてもヒト膵管癌組織と変異パターンが一致した。 これらの結果は、第44回日本分子生物学会年会”ATP6ap2/(P)RR過剰発現ヒト膵管上皮細胞を用いた膵管癌の進化モデルの検討”というタイトルでポスター発表を実施した。 尚、上記の研究成果は、1種類の(P)RR過剰発現ヒト膵管上皮細胞の結果に留まっている。結果の再現性を得るために、すでに樹立している他2種類の(P)RR過剰発現細胞(HPDE-6/E6E7, HPNE)においても膵管癌のドライバー遺伝子KRAS, p16、p53, SMAD4の体細胞突然変異の存在を引き続き検証していく予定である。
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Research Products
(2 results)