2019 Fiscal Year Research-status Report
癌間質細胞由来MCP-1による抗血管新生阻害剤耐性獲得の打破
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19K07694
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
原 賢康 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80528860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 一慶 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20747282)
高橋 広城 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30381792)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CAF / 血管新生 / 大腸癌 / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌から採取した癌関連線維芽細胞(CAF)を用いて分泌される血管新生因子を同定した。いくつかのCAFから得られた培養上清からVEGFやIL-6のほかにMCP-1の分泌が認められた。 また2020年以降施行予定であった、がん患者の臨床検体を採取するよう申請、手続きが終了し血液検査上のMCP-1の値を測定することが可能となったため新規大腸がん患者30名の血中MCP-1値並びに化学療法中患者の経時的な血中MCP‐1値の測定を行った。これらの血液検査結果から大腸癌の進行度と血中MCP-1の値に有意な相関は現時点では認められなかった。我々の事前の予測では血管新生にかかわる因子であり、その血管新生が血行性転移にかかわってくると考えており予想外の結果であった。現時点では症例数も少なく、その点が結果に影響している可能性は否めない。したがって今後症例数を増やして引き続き評価していく予定である。 また化学療法中の患者の血液中のMCP-1値に関しても測定したが抗VEGF抗体であるbevacizumabを投与している患者での血中MCP-1値についても現時点で有意な変化を認めることはできなかった。短期間で、かつ症例数が限られておりまだ十分なサンプル数に達していないことは否定できず引き続き症例数を増やして解析を続けていく予定である。ただ血中濃度をモニタリングすることには実際の腫瘍に対して、広範囲な臓器からの影響を受ける可能性も否定できず血中濃度の限界がある可能性も視野に入れておく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞実験自体を初年度に、臨床検体を2年次以降にと予定していたが臨床検体の採取が速やかに行えるようになったため予定を変更して臨床検体の評価を先行することとなった。前倒しになったことでより多く、かつより長期間の臨床検体の採取が期待できることとなった。そのため予定していた細胞実験にかかる費用が初年度には使用されなかったため当初の予定を下回る費用となった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き臨床検体の採取を継続していく予定である。それによってより多数の、また長期間の血液検査結果を採取できると考えている。 当初初年度に施行する予定であった細胞実験に関しては次年度以降に予定をずらして行う予定である。その計画については当初予定していた方針と同じものを想定している。
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Causes of Carryover |
当初の予定ところなり、臨床検体の採取が可能となったためそちらを先行して行い、細胞実験を後送りにしたため実験にかかわる資材の購入にかかる費用が減少したため使用額に差異が生じております。次年度以降に予定していた実験は行う予定です。
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