2019 Fiscal Year Research-status Report
AhRおよびそのリガンドによるがんの免疫逃避機構に関する研究
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19K07697
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
椎崎 一宏 東洋大学, 生命科学部, 教授 (20391112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 統悟 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 研究員 (00262072)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AhR / AhRリガンド / IDO / キヌレニン / RAG-2 / 胎児免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
RAG-1KOマウスの導入を検討したところ、導入繁殖までに半年以上の時間を要するため、RAG-1KOマウスと同様に成熟T細胞を持たないRAG-2KOマウスの導入を行った。RAG-2KOマウスはヘテロで維持されており、これにAhR(+/-)マウスを掛け合わせることによりF1動物を得た。RAG2/AhRヘテロ欠損マウスは雄のみしか得られなかったため、これら交配実験を引き続き行った。AhRKOマウスについてはヘテロ動物の交配を行っているものの母親の不妊および食殺が多く、AhRKOマウスが作出できていないことから、別ブリーダーから得た野生型マウスと交配し、繁殖状況の改善を行っている。 キヌレニン関連物質のAhRリガンド作用及びネガティブフィードバック系について酵母及び動物細胞を用いて検討した結果、キヌレニン自体の活性は非常に低く、生物活性が現れるのは0.1 mM以上であったが、キヌレニン溶液の保存期間によって活性が異なること、アッセイ時間が短い場合には活性が出ないことなどの結果から、In vitroで得られるキヌレニンの活性はキヌレニンの代謝あるいは光酸化等で生じた物質による活性である可能性が示された。保存あるいは37℃でのインキュベートにより活性が上昇したキヌレニン由来物質をCYP1A1により代謝させた結果、リガンド活性が減弱したこと、動物細胞でのレポイーターアッセイにおいてCYP1A1を共導入するとレポーター活性が減弱することから、このキヌレニン由来AhRリガンドがCYP1A1によって代謝され、活性を失うことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子組換え動物の搬入飼育許可に関する部署内手続きとその後のRAG-2KOマウスの作成に5か月を要したため、動物の交配実験開始に若干の遅延が生じた。また、AhRKOマウスにおける胎児死亡、新生仔の食殺及び哺育放棄はたびたび見られるが、ヘテロ動物においてもそれが頻発したため、十分な実験動物の確保に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
AhRKOマウスの作出のため、別ブリーダーから得た野生型マウスと交配して繁殖状況の改善を行っている。AhRKOマウスが作成でき次第、複数回の妊娠実験による胎仔死亡の確認を行うとともに、AhRKO雄マウスを用いた担癌実験を開始する。 AhR/RAG-2両遺伝子欠損マウスについては引き続き交配によって作成を続ける。
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Causes of Carryover |
動物の作成に関して国内公的機関で行ったため、当初より経費が掛からなかったこと、その後の飼育、繁殖に関する経費について、未だ動物数が少なかったため、次年度使用額が生じた。
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