2021 Fiscal Year Annual Research Report
RNAのメチル化修飾がスキルス胃がんの転移で果たす機能の解明
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19K07698
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| Research Institution | Aichi Gakuin University |
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Principal Investigator |
原 敏文 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (80456219)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 佳史 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (70362233)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | RNA / メチル化 / がん転移 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
スキルス胃がんは、胃の粘膜下に進行するために早期発見が難しく、癌の発見時には既にリンパ節や肝臓、腹膜への転移を高頻度に起こす、極めて予後が悪い難治性癌である。申請者らは、これまでにスキルス胃がんの転移細胞モデルを構築し、これら細胞モデルを解析することにより、癌転移の分子機構の解析を進めてきた。その研究の過程で、新たにRNAのメチル化酵素METTL3の発現が転移能獲得に伴って上昇することを見出した。METTL3は、細胞内で最も豊富に存在するRNAのメチル化(m6A)修飾の生成に関わる。そこで本研究では、メチル化酵素METTL3の発現が癌の転移能に与える影響について解析を行った。
本年度は、高癌転移能を有する細胞株選択的に存在するRNAのm6A部位を明らかにした。具体的には、転移細胞モデルよりRNAを抽出し、m6A抗体を用いた免疫沈降物を次世代シークエンサー(NGS)により解析し、その解析結果からm6A修飾される遺伝子の同定を行った。転移細胞モデルのNGSの解析結果を比較解析することにより、癌転移選択的にm6A修飾される遺伝子の選出を行った。これらNGS解析結果を検証するため、qPCR法を用いて個別にm6A修飾される遺伝子の発現レベルの解析を行った。加えて、m6A修飾を遺伝子選択的に制御するため、CRISPRシステムを基にした新しい遺伝子制御ツールの構築を行った。
本研究により、METTL3を介したm6A修飾は、スキルス胃がんの腹膜転移において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。これら発見は、癌転移特異的なm6A修飾を標的とした新たな癌治療戦略が構築できる可能性を示唆する。
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