2020 Fiscal Year Research-status Report
核膜孔因子Nup88によるソニックヘッジホッグ経路を介したがん悪性化の分子基盤
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19K07700
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
牧瀬 正樹 崇城大学, 薬学部, 准教授 (80433001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 明彦 崇城大学, 薬学部, 教授 (90241348)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NUP88 / ソニックヘッジホッグ / ジヒドロテストステロン / 前立腺癌 / アンドロゲン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前立腺癌細胞株における核膜孔因子Nup88の男性ホルモン依存的な発現変化、およびソニックヘッジホッグ(shh)経路の調節因子であるKif7の男性ホルモンおよびNup88発現依存的な発現変化を検討した。前者に関しては昨年度、Nup88が男性ホルモンの一つであるジヒドロテストステロン(DHT)依存的に発現抑制されるという当初予想とは異なる可能性を示したが、本年度に細胞培養時のホルモン枯渇条件を再考して実験を行うことにより、DHTに依存したNup88タンパク質の発現上昇傾向を確認した。現在、この発現増加がアンドロゲン受容体に依存しているか否かの解析、およびレポーターアッセイによって遺伝子レベルでのNUP88発現調節機構の解析を進めている。後者に関しては、HeLa細胞により確認されたNup88の過剰発現に依存的なKif7の発現抑制が、DHTによる一過性の刺激、あるいはNup88の一過性の過剰発現では起こらないことを見出した。現在、長期的なDHT刺激が与えるKif7発現への影響を調査するとともに、Nup88の安定発現株によるそれの解析準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Nup88発現のホルモン応答性および調節機構の解析に関しては一定の進展があったが、前立腺癌細胞株のNup88安定発現株の樹立が遅れているため、一過性発現株による実験を強いられており、Shhシグナル伝達経路の解析に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
NUP88遺伝子発現のアンドロゲン応答性をレポーターアッセイ系を構築することによって検討する。前立腺癌細胞株のNup88安定発現細胞の樹立を目指し、長期的なDHTおよびNup88過剰発現刺激に対するKif7の発現応答性を検討する。前立腺癌細胞株におけるNup88過剰発現に依存したソニックヘッジホッグシグナル伝達経路の活性化状態を検討する。
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Causes of Carryover |
英文校正および消耗品の納品が年度をまたいでしまい、年度内の支払いができなかったために生じた。したがって次年度使用額分は、これらの支払いに当てる。
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