2020 Fiscal Year Research-status Report
扁平上皮がんにおけるバイオマーカーと分子標的治療法の探索
Project/Area Number |
19K07706
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
六代 範 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20392334)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | p53 / p63 / Lung Cancer / Squamous Cell Carcinoma |
Outline of Annual Research Achievements |
肺扁平上皮がんは有効な分子標的治療が少なく治療が難しい。扁平上皮がんの特徴としてTP63遺伝子(以下、p63)の発現の増加が高頻度で認められ、p63のうち一つのサブタイプであるΔNp63遺伝子(以下、ΔNp63)は扁平上皮がんの診断マーカーとして用いられ、90%以上の扁平上皮がんで陽性との報告がある。ΔNp63は、代表的ながん抑制遺伝子であるp53遺伝子(以下、p53)とよく似た構造を持つファミリー遺伝子で、扁平上皮がんにおけるΔNp63の高発現は、p53のがん抑制機能を阻害することで、がんの発生や進行、治療への抵抗性を高めるものと考えられている。本研究においては、肺癌、頭頸部癌、食道癌などの扁平上皮がんについてΔNp63関連遺伝子や、関連遺伝子がバイオマーカーや分子標的となる可能性に注目して研究を進めている。また、扁平上皮がんにおける新規の予後悪性化因子を発見し、臨床学的意義について実験調査を行い、国際雑誌にて発表を行なっている。さらに、データの詳細を解析するとともに、ΔNp63関連遺伝子が扁平上皮がんのバイオマーカーや分子標的となる可能性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにΔNp63のユビキチン化分解をSTXBP4が抑制することから、STXBP4を全部もしくは部分欠損した遺伝子を作製し、肺扁平上皮癌の細胞株にレトロウイルスにより感染させ安定発現株を樹立した。これらの培養細胞株を用いて網羅的遺伝子解析を行い、RNAの発現とマイクロRNAも含めた変動遺伝子の解析を行なっており、その一部として、新規の予後悪性化因子について国際雑誌にて発表を行なっている。さらに、データの詳細を解析するとともに、ΔNp63関連遺伝子が扁平上皮がんのバイオマーカーや分子標的となる可能性を検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、RNAの発現とマイクロRNAも含めた変動遺伝子の解析を行なっており、これらの結果は現在詳細を解析中である。また、細胞レベルにおいてもこれらによる腫瘍性/腫瘍抑制効果について検討を行う。また、これまでに得られたCAGE法によるデータの詳細を解析するとともに、ΔNp63関連遺伝子が扁平上皮がんのバイオマーカーや分子標的となる可能性を検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による研究鵜活動の制約などに伴い、当該年度で物品費、人件費使用が当初見込まれたより少なく、次年度に使用が見込まれるため。
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[Journal Article] AKT3 is a key regulator of head and neck squamous cell carcinoma. Takahashi H, Rokudai S, Kawabata-Iwakawa R, Sakakura K, Oyama T, Nishiyama M, Chikamatsu K.2021
Author(s)
Takahashi H, Rokudai S, Kawabata-Iwakawa R, Sakakura K, Oyama T, Nishiyama M, Chikamatsu K.
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Journal Title
Cancer Science
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Distinctive roles of syntaxin binding protein 4 and its action target, TP63, in lung squamous cell carcinoma: A theranostic study for the precision medicine2020
Author(s)
Bilguun EO, Kaira K, Kawabata-Iwakawa R, Rokudai S, Shimizu K, Yokobori T, Oyama T, Shirabe K, Nishiyama M.
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Journal Title
BMC Cancer
Volume: 20(1)
Pages: 1-14
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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