2020 Fiscal Year Research-status Report
Feasibility of organoid models established from bodily fluid for predicting chemotherapy efficacy in gastrointestinal cancer
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19K07723
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
大木 暁 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器化学療法科, 医長 (50348546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝 清隆 公益財団法人がん研究会, がん研究所 蛋白創製研究部, 部長 (40196415)
八尾 良司 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 部長 (80291095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オルガノイド / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能な進行消化器がんは治癒困難であり、原因の一つとして治療抵抗性を有するがん幹細胞の存在が示唆されている。さらに、多くの抗がん剤において、治療効果を予測するためのバイオマーカーは確立されておらず、有害事象および医療経済の観点からも治療効果予測モデルの開発が急務である。がん幹細胞は3次元培養にて最小機能単位であるオルガノイドを形成し、腫瘍本体の形態・形質を模倣することから化学療法の効果予測の可能性が報告されている。本研究は、患者から低侵襲で採取可能である体液試料(腹水、血液)を使用してがん細胞からオルガノイドを樹立し、化学療法の治療効果予測モデルとしての有用性を検討することである。 高度腹水の患者において症状緩和目的に施行した除去腹水から、オルガノイドが樹立できることを確認した。血液試料からオルガノイドを樹立するためには循環腫瘍細胞を分離する必要がある。血行性転移を有する大腸がん患者の血液試料からのがん細胞の濃縮・回収のために共同研究者が特許申請中である細胞径が異なるフィルターを使用し、回収した細胞をWENR・WENR-AS培地で培養を何度か行ったが樹立が困難であった。血球が多数回収されることが原因の一つであることが考えられたため、全血から不要な細胞を除去するために、CD45、 CD66b、glycophorin A を認識する複合体を形成させ、比重液上で遠心する事により、白血球および赤血球の除去後に同培地で培養を行ったが、やはりオルガノイドの樹立が困難であった。培養方法の検討に加えて、血液試料中のがん細胞およびがん幹細胞の存在をflow cytometoryで確認が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最大の理由はCOVID-19により研究が中断したことである。 高度腹水の患者において症状緩和目的に施行した除去腹水から、オルガノイドが樹立できることを確認した。一方、高度腹水の患者は化学療法の適応でない症例が多いため治療効果モデルとしての実用面で問題が残る。そのため、予定していた血液からオルガノイドを樹立するための研究も並行することにした。血液試料からオルガノイドを樹立するためには循環腫瘍細胞を分離する必要がある。血行性転移を有する大腸がん患者の血液試料からのがん細胞の濃縮・回収のために共同研究者が特許申請中である細胞径が異なるフィルターを使用し、回収した細胞をWENR・WENR-AS培地で培養を何度か行ったが樹立が困難であった。血球が多数回収されることが原因の一つであることが考えられたため、全血から不要な細胞を除去するために、CD45、 CD66b、glycophorin A を認識する複合体を形成さ せ、比重液上で遠心する事により、白血球および赤血球の除去後に同培地で培養を行ったが、やはりオルガノイドの樹立が困難であった。原因としては、採血検体中に循環中のがん細胞自体が少ないことに加えて、がん幹細胞が含まれていない可能性がある。そのため、血中に含まれるがん細胞およびがん幹細胞の存在をflow cytometryで確認する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
血液試料からオルガノイドが樹立できない原因としては、採血検体中に循環中のがん細胞自体が少ないことに加えて、がん幹細胞が含まれていない可能性がある。血液より回収した細胞の中に上皮系細胞が存在することを確認するためにサイトケラチン染色含めてflow cytometryで確認する予定である。さらに、オルガノイドの形成には幹細胞が必要であることから、回収した細胞を一旦 スフェロイド培地で培養することにより、幹細胞様がん細胞の増殖を行った後に再度、オルガノイド培養を試みる予定である。また、別の血液循環がん細胞の回収方法を検討中である。COVID-19の影響で中断していた研究を徐々に再開している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で研究が中断していたが徐々に再開しており、本年度は血液試料からオルガノイドの樹立ができない原因を探求する予定である
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