2020 Fiscal Year Research-status Report
EGFR肺がん特異的翻訳産物の機能解析と新規治療法の開発
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19K07724
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
築茂 由則 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 主任研究官 (40469630)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EGFR / 分泌糖タンパク / 糖鎖修飾 / 複合体形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、EGFR変異陽性肺がんで特異的に発現上昇している複数のタンパクを同定した。複数のEGFR変異陽性、陰性細胞株の比較実験を行い、プロファイリングで得られた候補タンパク群がEGFR変異陽性細胞株で発現上昇していることを確認できた。また、これらのタンパクは分泌タンパクであり、細胞外小胞の表面に豊富に存在することが明らかになった。 候補タンパクの1つXは、ノックダウンならびにノックアウト実験により、EGFR変異陽性細胞の増殖抑制がみとめられた。さらに、候補タンパクXに対するブロッキング抗体にはEGFR変異陽性細胞に対して増殖阻害効果があることがわかった。 今年度は、引き続き同定した候補タンパクXの性状解析を進めた。具体的には、診断マーカーとしての可能性について以下の検討を進めた。1.候補タンパクXがEGFR変異陽性細胞特異的に分子量が変化していることを見出した。さらに解析を進め、この分子量の違いが糖鎖修飾の違いによるものであることを明らかにした。2.岡山大学バイオバンクからEGFR変異陽性患者由来の血漿検体を取得し、候補タンパクの発現量について比較検討を進めた。適切な比較対象タンパクについては現在検討中であり、その結果と総合して結論を述べたい。また、基礎情報として候補タンパクXが細胞外で複合体を形成していることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、2020年初頭から国内で蔓延している新型コロナウイルスへの行政対応業務が発生したため、本研究に取り組むための時間が大幅に制限されたが、昨年度が当初の計画以上に進展していたため、本課題全体としては概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオバンクから取得した血漿検体での評価を完了させるため、既存の腫瘍マーカー等をコントロールとして、候補タンパクの検証実験を進める。 ブロッキング抗体を用いたタンパクXの複合体形成への影響を明らかにし、複合体形成阻害と増殖抑制効果の相関について検討する。 タンパクXのノックダウン、ノックアウト細胞を用い細胞内シグナル伝達の違いを明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度は、2020年初頭から国内で蔓延している新型コロナウイルスへの行政対応業務が発生したため、本研究に取り組むための時間が大幅に制限され支出額が減った。繰り越した費用については、今年度の消耗品や成果発表等で使用する予定である。
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