2020 Fiscal Year Research-status Report
APOBEC3Gを分子標的とする新たな放射線増感剤の開発研究
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19K07734
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小野寺 貴恵 (山内貴恵) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20535736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | APOBEC3G / 放射線増感 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでに、抗HIV-1因子として知られるAPOBEC3Gを放射線増感標的の候補として同定し、APOBEC3Gが放射線の主作用であるDNA二本鎖切断の修復に関与することから放射線増感の標的として有効である可能性を示してきた。しかしながらこれまでにAPOBEC3G阻害剤の報告例はほとんどないことから、APOBEC3Gを標的とする新規分子標的薬の開発を目的に、APOBEC3G阻害剤のスクリーニング系の構築を行ってきた。 本年度は、高活性を示すことが報告されているドメインを使用することによるスクリーニング系のハイスループット化を試みた。現在のところAPOBEC3Gの酵素活性を阻害する化合物の同定には至っていないが、APOBEC3Gタンパク質はX線結晶構造解析や核磁気共鳴によりその立体構造や基質認識機構が解明されていることから、構造情報を利用したfocused libraryを構築することでスクリーニングの効率化が期待できる。しかしながら、APOBEC3Gが放射線増感の作用機序は未解明の部分が多く、分子内のどのドメインが増感作用に寄与しているのかは明らかでない。そこで、創薬のターゲットサイトを同定するために、APOBEC3Gの放射線増感作用の分子機構の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
APOBEC3Gタンパク質の活性を阻害する化合物の同定には至っていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
APOBEC3G阻害剤のスクリーニングを行い、得られた候補化合物についてその放射線増感効果を解析する。並行してAPOBEC3G機能阻害による放射線増感機構を解明し、得られた知見をもとにAPOBEC3Gの構造情報を利用したfocused libraryを構築することでスクリーニングの効率化を図る。
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Causes of Carryover |
旅費が予定より少なかったため、23688円の次年度使用額が生じた。次年度使用額については消耗品の購入に使用する予定である。
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