2021 Fiscal Year Research-status Report
APOBEC3Gを分子標的とする新たな放射線増感剤の開発研究
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19K07734
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小野寺 貴恵 (山内貴恵) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20535736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | APOBEC3G / 放射線増感 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗HIV-1因子として知られるAPOBEC3Gを放射線増感標的の候補として同定し、APOBEC3Gが放射線の主作用であるDNA二本鎖切断の修復 に関与することから放射線増感の標的として有効である可能性を示してきた。国内外でAPOBEC3G阻害剤の報告例はないことから、 APOBEC3Gを標的とする新規分子標的薬の開発を目的に、APOBEC3G阻害剤のスクリーニング系の構築を試みてきた。 本年度は、活性ドメインを主に用いたスクリーニング系の至適化を行った。測定系の感度の問題などでAPOBEC3Gの酵素活性を阻害する有望な化合物の同定には至っていない。APOBEC3Gタンパク質はX線結晶構造解析や核磁気共鳴によりその立体構造や基質認識機構が解明されていることから、構造情報を利用した化合物 libraryを構築することでスクリーニングの効率化を昨年度より試みている。APOBEC3G阻害が放射線増感に作用する機序を調べることで創薬のターゲットサイトを絞り込むために、APOBEC3Gのガンマ線増感作用の分子機構の解析を並行して進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
APOBEC3Gタンパク質の活性を阻害する化合物の同定には至っていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
APOBEC3G阻害剤のスクリーニング系の改良を進め、得られた候補化合物についてその放射線増感効果を解析する。並行してAPOBEC3G機能阻害による放射線増感機構を解明し、得られた知見をもとにAPOBEC3Gの構造情報を利用したfocused libraryを構築することでスクリーニングの効率化を図る。
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Causes of Carryover |
APOBEC3G阻害剤のスクリーニング系の至適化がまだ十分でない。次年度使用額については研究推進のため、消耗品の購入と人件費に主に使用する予定である
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