2021 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンプロテアソーム経路を標的とした進行性腎細胞癌に対する新規治療戦略の構築
Project/Area Number |
19K07736
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉野 裕史 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (90642611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎田 英樹 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80347103)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎癌 / ジスルフィラム / NPL4 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジスルフィラムはアルコール依存症に対する治療薬であるが、最近、NPL4を介したジスルフィラムの抗腫瘍効果が報告された。NPL4はユビキチンプロテアソーム系に関与するタンパク質でジスルフィラムにより阻害されると、細胞は不良タンパク質を分解できず細胞死に至る。しかし、腎細胞癌においてジスルフィラムやNPL4に関連する報告はほとんどない。そこで、腎細胞癌におけるジスルフィラムによるNPL4を標的とした治療の可能性の探索と、それらに関わる癌シグナル経路を解明し、新たな治療戦略の基礎データを提示することが本研究の目的である。 前年度の研究成果で、ジスルフィラムを用いたXenograftアッセイにおいて摘出した腫瘍片のプロテオミクス解析から、PSAT1やAKR1B1といった遺伝子の発現がジスルフィラム投与サンプルにおいて低下したことを報告したが、PSAT1はグルタミン酸を基質にα- ケトグルタル酸に変換することが知られている。この経路はグルタミノリシスとして癌細胞で亢進していることが知られているが、今年度の研究成果として、グルタミン酸の上流にあるグルタミンの細胞内への取り込みをグルタミンの細胞内へのトランスポーターであるSLC1A5やその阻害剤を用いて抑制し、in vitroやin vivoにおいて腎癌において抗腫瘍効果を認めることを確認した。
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[Journal Article] Targeting of the glutamine transporter SLC1A5 induces cellular senescence in clear cell renal cell carcinoma2022
Author(s)
Issei Kawakami, Hirofumi Yoshino, Wataru Fukumoto, Motoki Tamai, Shunsuke Okamura, Yoichi Osako, Takashi Sakaguchi, Satoru Inoguchi, Ryosuke Matsushita, Yasutoshi Yamada, Shuichi Tatarano, Masayuki Nakagawa, Hideki Enokida.
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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