2019 Fiscal Year Research-status Report
Augmentation of EPR effect and therapeutic effect of nanomedicine by inhibiting off-targeting delivery
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19K07743
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
方 軍 崇城大学, 薬学部, 准教授 (20412736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EPR effect / Tumor targeting / Intralipid / RES / Off-target delivery |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究実施計画を踏まえ、主にIntralipidのナノメディシンのoff-targetデリバリーの減少・EPR効果の増強効果について検討した。期間中に、下記の主な研究成果が得られた。 1) 血中動態(Pharmacokinetics)と組織分布:正常ddYマウスを用い蛍光ナノ光増感剤HPMA-pyropheophorbide (P-PyF)の血中動態を調べた結果、Intralidを24時間前に前投与することによりP-PyFの血中半減期およびAUCが著名に増加したことが分かった。マウスザルコーマS810固型腫瘍モデルにおいて組織分布を検討した結果、Intralidの投与によりP-PyFの肝臓への集積が約30-40%減少した。これに対し、腫瘍のP-PyFの集積が有意に増加した。 2) In vivoイメージング:上述と同様な実験で、In vivoイメージング装置を用い腫瘍イメージングを行った。この結果、上記の血中動態と組織分布の結果とパラレルし、P-PyF注射2時間後から48時間まで腫瘍特異な蛍光イメージングが得られたが、Intralipidの前投与により腫瘍内蛍光強度がさらに著名に増加し、1.5-2倍の蛍光強度の増加が認められた。 3) 腫瘍血流の測定:Intralipid処理による腫瘍血流の変化は、蛍光プローブを用いる血管造影により測定した。その結果、著名な血管拡張・血流増加が見られた。Intralipidの代謝産物であるケトン体を用いても、同様に顕著な血流増加が認められた。 4)Preliminary実験で、IntraplipidとP-PyFを用いるPDTとの併用により、P-PyF単独より抗がん効果が著しく(2-3倍)増強されたことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、これまでほぼ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果を踏まえ、今後下記の項目について検討する。 2020年度は主にIntralipidのナノメディシンのoff-targetデリバリー抑制のメカニズムついてin vitroで検討する。1) クッパー細胞におけるナノメディシンの取り込みとIntralipidの影響:クッパー細胞を用い、Intralipid処理後各時点で、蛍光ナノプローブP-PyFを添加し、経時的に蛍光強度から細胞内取り込み量を比較する。同時に、リピッド染色により細胞に取り込まれたIntralipidを観察する。また蛍光顕微鏡により細胞内局在を検討する。2) クッパー細胞の貪食能の評価:FITC標識ラテックスビーズを用い、FACSおよび蛍光顕微鏡によりクッパー細胞の貪食能を評価する。さらに、同法によりIntralipdのクッパー細胞の貪食能への影響(濃度依存性、時間依存性)を調べる。3) 細胞毒性の評価:Intralipid処理後、MTT法により細胞の生存率を測定する。 2021年度は主にIntralipidの併用によるナノメディシンの効果増強をin vivoで各種固型腫瘍モデル(化学発癌モデルを含む)を用い検討する。1) 薬物動態:ナノ抗がん剤SMA-CDDP投与後経時的に血中または腫瘍および正常組織(肝臓、脾臓、腎臓)中の薬物量をICP-MSにより測定する。2) 抗腫瘍効果:Intralipidと各種ナノメディシンとの併用治療後腫瘍体積の変化、転移巣(肺)の数とサイズ、担がんマウスの生存率により検討する。さらに、腫瘍組織を取り組織HE染色などの病理学的検査を行う。3) 副作用評価:治療後動物の体重変化、死亡率を測定する。さらに、血清生化学検査(AST, ALT, BUN, Cr, CKなど)及び血球計数を行い、肝毒性、腎毒性、心毒性、及び骨髄毒性を評価する。
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