2022 Fiscal Year Annual Research Report
Augmentation of EPR effect and therapeutic effect of nanomedicine by inhibiting off-targeting delivery
Project/Area Number |
19K07743
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
方 軍 崇城大学, 薬学部, 准教授 (20412736)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | EPR effect / Tumor targeting / Intralipid / RES / Off-target delivery |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究成果のまとめ及び学会発表を行なった(第81回日本癌学会)。また、確認実験として、イントラリピッドの細胞毒性を調べ、マウス大腸癌C26細胞において1 mg/mlまで細胞毒性がほとんど見られなかった。これまでの研究をまとめ、全研究期間中に下記の成果が得られた。 1)イントラリピッド処理により、クッパー細胞高分子なの粒子やナノメディシンに対する取 り込みが顕著に抑制された。 2)正常マウスにおいてイントラリピッドの投与によりナノメディシンの血中AUCの著名に増加された。一方、担がんマウスにおいてAUCの増加は認められなかった。このことにより、イントラリピッドがナノメディシンの肝臓集積を抑制し、代わりに腫瘍への集積を促進することが示唆された。 3)各種マウス腫瘍モデルにおいて、イントラリピッドの前投与は市販のナノメディシンを含む各種抗がんナノメディシンの治療効果を著しく増強した。また、治療後、動物の体重の減少は見られず、肝機能の変化(ALT、AST)も認められなかったことから、イントラリピッド併用治療による副作用がほとんどないと示唆された。 4)マウス腫瘍モデルにおいて、イントラリピッドの著名な血管拡張・血流増加作用が確認された。また、イントラリピッド投与により、血液粘度が有意に減少された。この血液粘度の減少は腫瘍血流の改善・ナノメディシンの腫瘍集積の増加と関わると考えられる。 5)正常ddYマウスにおいて、イントラリピッドがオフターゲットデリバリーを抑制することにより、抗がんナノメディシンSMA-CDDPの肝毒性が顕著に抑制され、マウスの生存率も有意に増加された。
|