2021 Fiscal Year Annual Research Report
エンベロープ改変レンチウイルスを用いた新規遺伝子治療前臨床試験モデルの樹立
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19K07750
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊川 泰広 金沢大学, 医学系, 准教授 (10722043)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レンチウイルス / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、Baboonエンベロープ改変レンチウイルスを用いることで、サイトカイン刺激を省いた遺伝子導入法を確立し、Bloom症候群に対する血液腫瘍の発症予防を目的とした遺伝子治療を可能とすることにある。 2019年度、Baboonエンベロープ改変レンチウイルスを作成し、最適な遺伝子導入条件の検討を行い、トランスフェクションするプラスミドの濃度、293T細胞の細胞密度、培養液の交換時間、ウイルス上清を回収する時間を調整することで、既 存のプロトコールと比較して、30倍の力価まで上昇することができた。 2020年度は、新規プロトコールで産生したウイルスを用いて野生型、Bloom症候群モデルマウス(Blmマウス)から採取した骨髄細胞にサイトカイン刺激を省いて遺伝子導入を行った。結果、Blmマウスから採取した骨髄細胞に対する遺伝子導入は、サイトカイン刺激の有無にかかわらず、生存率、遺伝子導入率に有意差を認めない結果を得られた。 2021年度は、Blmマウスより採取した骨髄細胞にBlm遺伝子を搭載したレンチウイルスを用いて遺伝子導入実験を行った。Blm遺伝子が修復されたのちの機能回復実験として、syster chromatoid exchange (SCE)が回復するかを検討した。ウイルス産生は超遠心を行うことで、high titerのウイルス溶液を作成することができ、細胞実験を行う上で十分量生成できることが明らかとなった。Blm遺伝子を修復したBlm骨髄細胞のSCEは回復傾向を見せたが、有意差を持って回復することを示すことができなかった。今後、条件設定を改良しながら統計学的有意差が出るかを検証していく。
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