2019 Fiscal Year Research-status Report
振動解析の手法を取り入れた新規NMR解析法による膵がん、胆管がん血清診断法の開発
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19K07752
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 孝司 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (10378656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 教授 (10267164)
増井 俊彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (20452352)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
柚木 知之 京都大学, 医学研究科, 助教 (50639094)
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80465343)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NMR / 膵癌 / 胆管癌 / 血清 / 早期発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の高齢化とともに増加が見られる膵臓癌、胆管癌は最難治癌に数えられ、根治に困難を極める。しかし、このような最難治癌でにおいても早期診断された腫瘍では予後が両行で有り、早期診断が根治の鍵であると言える。本研究では、振動工学の分野で用いられてきた動的構造解析を血清のNMR分析に応用し、時間周波数解析を行うことで血清固有の動的性質を解析し、癌の存在とそれに伴う全身の代謝変化を総合評価する手法となりえるかを検討する。これまでの予備実験に加えて本年では血清における膵臓癌における解析を終了し、論文化を進め、現在投稿中である。一方、胆管癌においては本年前半でのNMR解析装置の設備更新、それに伴うキャリブレーションを行ったため予備実験とデータを統合することが困難であることから再度解析を行い直しているところである。膵癌においてはCEA等のマーカーよりも良好な感度で非胆癌患者との分別が可能であった。さらに、膵癌根治切除後の再発時期に応じて早期再発群と晩期再発群を分けたところ、術前血清におけるCEA,CA19-9等腫瘍マーカーでは困難であった早期再発群の同定が、本手法による血清の解析にて分別することが可能であった。まとめると、膵癌においては本NMR動的解析により腫瘍の分別とともに早期再発群を術前の血清にて分別することが可能であるという重要な治験が得られ、メカニズムはこれからの解析がまたれるものの、既存のマーカーより、より精度の高い手法であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵癌においては順調に論文化を進んでいるが、胆管癌に関しては本年度前半にNMRの計測装置の更新を行い、キャリブレーションを行った際に以前のデータと傾向は同様ではあったにもかからず絶対値の補正が困難で、その修正に時間を要しているため、本年度予定していた胆管癌における解析が行えず、やや遅れていると判断された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度行われた膵癌に対するNMR血清解析を胆管癌、神経内分泌腫瘍に広げ、おのおのの鑑別が可能か、予後、悪性度と行った臨床学的差異を同定することができるかの解析を行う。さらに粘液産生性膵管内乳頭状腫瘍といった膵癌の早期の状態を呈する腫瘍における血清での同定が可能か検討を進める。
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Causes of Carryover |
本年度はNMR解析装置の設備更新、それに伴うキャリブレーションにより、予備実験とデータを統合することが困難となったことが判明し、その修正に時間を要した。胆管癌の血清解析の開始が遅れたため、次年度使用額への繰り越しを行い、次年度において改めて血清のNMR計測、解析を進める予定である。
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