2022 Fiscal Year Research-status Report
血清オミックス解析を中心とした多発性骨髄腫の治療薬レナリドミドの感受性因子の探索
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19K07756
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
李 政樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (00567539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 京子 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (70270626)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / レナリドミド / 感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
レナリドミドの治療効果に関連する因子を患者さんの検体から同定する目的にて、末梢血および骨髄液中の腫瘍細胞および血漿中の因子を解析する。具体的には、骨髄液から骨髄腫細胞・ストローマ細胞の遺伝子変異・発現量解析、末梢血血清からはエキソソーム・遊離核酸のmiRNA発現量解析及び血清全体の脂質メタボローム解析を行い、治療効果に関わる遺伝子・代謝物を同定する。これまでの成果から、骨髄中の腫瘍細胞からの遺伝子発現解析により、レナリドミドの感受性に関わる可能性のある4つの遺伝子、CRBN、IKZF1、IKZF3、KPNA2のmRNA定量を行い、IKZF1 / CRBN比がLd療法における治療効果に関連したバイオマーカーとなりうる可能性を見出してきた。さらには、再発難治性骨髄腫患者さんの初発時および難治状態(レナリドミド耐性)のぞれぞれの末梢血血漿からcfDNAを抽出し、骨髄腫の病態に関わる遺伝子群の変異解析を行い、レナリドミドを含めた薬剤耐性時には、染色体の構造異常の蓄積(1q gainや17p欠損)ならびに複数個の遺伝子変異が関与することを見出した。今回、レナリドミド治療前の患者さんの血漿メタボローム解析を行い、複数個の脂肪酸およびリン脂質群が治療効果と相関があることを見出し、特定の脂肪酸とビタミン様作用物質が、免疫調節薬の効果に関わることを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでレナリドミド治療の耐性に関わる因子を患者さんの骨髄腫細胞の遺伝子変異解析を行い、さらにレナリドミド治療に感受性に関わるメタボローム解析を行なったが、まだ同定された因子の絞り込みやその機能的意義について検証はできていない。今年度は、同定されたメタボローム因子の詳細な解析を予定している。その途上であるため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を継続発展させ、引き続きレナリドミドの感受性に係る因子を患者さんの末梢血血清中の物質の網羅的な探索より同定することを目標とする。今後、末梢血の血漿の脂質メタボローム解析を引き続き例数を増やして多数検体で行い、また、初発から治療抵抗性に至るまでの経時的な解析で、治療の感受性や耐性との関連を解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。 次世代シークエンスに必要な試薬群(ライブラリー作成試薬、シークエンス試薬など)を購入する。さらには、抽出された核酸のなかでも、cell free DNAおよびマイクロRNAの解析として、必要な試薬群も購入予定である。また、メタボローム解析に必要な使用群も購入予定である。
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