2023 Fiscal Year Annual Research Report
血清オミックス解析を中心とした多発性骨髄腫の治療薬レナリドミドの感受性因子の探索
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19K07756
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
李 政樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (00567539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 京子 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (70270626)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / レナリドミド / 感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
レナリドミドの治療効果に関連する因子を患者さんの検体から同定する目的にて、末梢血および骨髄液中の腫瘍細胞および血漿中の因子を解析する。具体的には、骨髄液から骨髄腫細胞・ストローマ細胞の遺伝子変異・発現量解析、末梢血血清からはエキソソーム・遊離核酸のmiRNA発現量解析及び血清全体の脂質メタボローム解析を行い、治療効果に関わる遺伝子・代謝物を同定する。これまでの成果から、再発難治性骨髄腫患者さんの初発時および難治状態(レナリドミド耐性)のぞれぞれの末梢血血漿からcfDNAを抽出し、骨髄腫の病態に関わる遺伝子群の変異解析を行い、レナリドミドを含めた薬剤耐性時には、染色体の構造異常の蓄積(1q gainや17p欠損)ならびに複数個の遺伝子変異が関与することを見出した。今回、レナリドミド治療前の患者さんの血漿メタボローム解析の例数を増やして行い、複数個の脂肪酸およびリン脂質群が治療効果と相関があることを見出し、特定の脂肪酸とビタミン様作用物質が、免疫調節薬の効果に関わることを見出している。特に、レナリドミド含有治療の奏効性の高い患者ほど、治療前血清中のPEのレベルが有意に低値を示し、LPEのレベルが有意に高値を示した。PEからLPEへの代謝はPLA2が担っており、本酵素による代謝が亢進している患者ほど、レナリドミド治療の奏効性が良いことが示唆される。
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