2021 Fiscal Year Annual Research Report
3D オルガノイド法を用いたがんゲノム個別化医療スクリーニングシステムの開発
Project/Area Number |
19K07757
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高石 官均 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80286468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 容崇 社会医療法人北斗北斗病院(腫瘍医学研究所), 特任研究員, 特任研究員 (00708878)
西原 広史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50322805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癌 / 薬剤スクリーニング / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーによる網羅的がん遺伝子検査が臨床に普及し、本年度からはリキットバイオプシーと呼ばれる血液中に微量含まれる腫瘍由来物質を解析する検査も保険収載されている。しかし、その検査方法自体は非常に高額であることは変わりなく、最新の分子標的薬は依然として非常に高額であり財政を圧迫している。検査及び治療の効率を上げ無駄を省くことがこの課題を解決する鍵となる。 本研究では「3Dオルガノイド法」と呼ばれる3次元培養法を用いた高精度に行うことによ り、次世代の個別化医療に繋げることを目標とする。昨年度までは幅広い癌種、174症例を培養し、消化器癌は正常粘膜58検体中樹立に成功したものは28検体 (48%)、腫瘍部は61検体中樹立に成功したものは35検体(57%)。頭頸部癌は正常上皮5検体中樹立に成功したものは3検体(60%)、腫瘍部は7検体中樹立に成功し たものは3検体(43%)、乳癌は正常上皮12検体中樹立に成功したものは3検体(25%)、腫瘍部については17検体中樹立に成功したものは9検体(53%)、脳腫瘍は腫瘍14検体中樹立に成功したものは8検体(57%)、であった。網羅的遺伝子解析については全検体について問題なく遺伝子解析が行えたものの、細胞株の樹立成功率が十分であるとは言えず成功率の向上が必要と考えられた。 そこで今年度は培養液の組成や濃度を変更して成功率向上を試みた。その結果、消化器癌は正常粘膜11検体中、樹立に成功したものは11検体(100%)、腫瘍部は12検体中10検体(83.3%)、頭頸部癌は正常粘膜2検体中2検体(100%)、腫瘍部は6検体中3検体(50%)、膵臓癌は正常部2検体中2検体(100%)、腫瘍部5検体中5検体(100%)、脳腫瘍は腫瘍部1検体中0検体(0%)、合計40検体中34検体(85%)となり前年度までの成績である51.2%から大きく向上した。
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