2020 Fiscal Year Research-status Report
非肝炎ウイルス性肝細胞癌におけるレトロトランスポゾン変化の解明
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19K07777
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
別府 透 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (70301372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋市 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00404070)
中川 茂樹 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (10594872)
山村 謙介 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (10816507)
清住 雄希 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (30827324)
宮田 辰徳 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (80594887)
林 洋光 熊本大学, 病院, 助教 (80625773)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝炎ウイルス / エピジェネティクス / DNAメチル化 / LINE-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、肝細胞癌(Hepatocellular carcinoma: HCC)は非癌部に比べて LINE-1のプロモーター領域のメチル化レベルが低値であることを確認した。さらに興味深いことに、非肝炎ウイルス性背景肝(78.5±2.5)におけるLINE-1メチル化は、B型肝炎感染(74.9±2.6)及びB及びC 型肝炎ウイルス重複感染症例(70.7±6.9)の値に比べて有意に高値であることから、肝炎ウイルス感染によるDNAメチル化への影響が示唆された。本年度は、近年増加傾向にあるnon-B, non-C(アルコール性、非アルコール性、その他)を背景にしたHCC (NBNC-HCC) におけるLINE-1メチル化レベルの状態についてさらに詳しく評価を行い、肝繊維化との関連を評価した。 NBNC-HCCのLINE-1のメチル化レベルについては、癌部 (ANOVA, p=0.38) および非癌部 (ANOVA, p=0.73)ともにアルコール性、非アルコール性およびその他による肝炎間で有意な差は認めなかった。新犬山分類により肝繊維化を評価し(F0-F4)、F0-3群とF4群の2群に分けて非癌部のLINE-1メチル化との関連を比較したところ、全症例(n=112)(p=0.74)およびNBNC-HCC(n=28)に限って検討しても両群間に有意差は認めなかった(p=0.47)。一方、癌部において同様の検討を行ったところ、全症例(n=224)においてF4群で有意にLINE-1メチル化レベルは低値であった(p=0.03)。NBNC-HCC(n=57)においては両群間に有意差は認めなかった(p=0.10)。以上のことから、背景肝のLINE-1メチル化レベルは、NBNC-HCCにおいては差を認めず、また全体としては線維化の程度にも影響を受けないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物モデルにおけるLINE-1のメチル化と転移の相関について検討ができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験や、切除凍結標本を用いたLINE-1の挿入箇所や増幅、遺伝子内転移との関連も併せて評価し、発癌に関連する関連遺伝子の発現等の評価を行う。
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Causes of Carryover |
理由:試薬、消耗品については、医局内保管のものを使用することができた。また、旅費については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学会開催形式がハイブリッド開催へ変更となる事が多く出張が減った為、未使用額が生じた。
使用計画:試薬、消耗品の購入及び研究データの管理、資料整理を行ってもらうための事務補佐員の雇用経費に充てたい。また、最新の研究情報を得るため、及び、研究成果発表のための学会出張旅費にも充てたいと考える。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Long‐term outcome of liver resection for colorectal metastases in the presence of extrahepatic disease: A multi‐institutional Japanese study2020
Author(s)
Sawada Y, Sahara K, Endo I, Sakamoto K, Honda G, Beppu T, Kotake K, Yamamoto M, Takahashi K, Hasegawa K, Itabashi M, Hashiguchi Y, Kotera Y, Kobayashi S, Yamaguchi T, Tabuchi K, Kobayashi H, Yamaguchi K, Morita S, Natsume S, Miyazaki M, Sugihara K
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Journal Title
Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences
Volume: 27
Pages: 810~818
DOI
Peer Reviewed
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