2019 Fiscal Year Research-status Report
non-canonical抗原提示経路を介して抗腫瘍効果を発揮するRNAワクチン
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19K07782
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 正紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80297366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小井戸 薫雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70266617)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RNAワクチン / ネオアンチゲン / ネオエピトープ / がんワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの進展に伴う遺伝子変異に由来したネオエピトープが腫瘍免疫の標的となっている事が明らかとなり、ネオエピトープを標的とした個別化RNAがんワクチンの開発のが進められている。RNAワクチンの免疫誘導能力の効率化のために、RNAの安定性、形質転換効率、発現効率などの改良が進められているが、RNAワクチン翻訳後のタンパク質の抗原提示経路の至適化には、これまでほとんど注意が払われていなかった。 効率よい腫瘍免疫の誘導には、抗原がnon-canonical抗原提示経路(ER-Golgi非依存性経路)で処理されることが必要である。我々はこのnon-canonical抗原提示経路を経るように抗原の運命を指定することができる、「Artificial Designed Sequence (ADS)」ペプチド配列構造の同定した。本研究では、このADSとがん細胞の既知のネオエピトープを、RNAワクチンの枠組みに組み込みRNAワクチンを作製する。RNAワクチンの免疫賦活化能力をin vitro、 in vivoの両面から定量的に評価し、ネオエピトープがnon-canonical抗原提示経路で処理される事によって、腫瘍免疫能力を増大させ、強力に抗腫瘍効果を発揮できる事を明らかにする。 本年度はマウスがん細胞の既知のネオアンチゲンから選択したネオエピトープペプチド配列とArtificial Designed Sequence(ADS)を組み込んだ遺伝子配列を設計し、RNAワクチンを合成するためのDNA遺伝子配列を設計した。この遺伝子をplasmidベクターに組み込み、in vitro translationでRNAワクチンの合成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitro抗原提示アッセイ評価法として用いる樹状細胞でのネオエピトープの発現を評価するためのテトラマーアッセイ法の構築に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにin vitro抗原提示アッセイ法が構築出来ているWilms Tumor 1(WT1)遺伝子ネオエピトープを用い、まずRNAワクチンの評価を行い、その後、マウスがん細胞のネオアンチゲンに関してnon-canonical抗原提示経路を介して抗原提示するRNAワクチンの評価を行う。
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Causes of Carryover |
ほぼ満額使用した。残額は次年度の試薬購入費に充てる。
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