2022 Fiscal Year Annual Research Report
逐次療法適応となる進行再発大腸癌の分子生物学的特徴の探索
Project/Area Number |
19K07787
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山口 佳之 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10230377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永坂 岳司 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30452569)
谷岡 洋亮 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40775491)
堅田 洋佑 川崎医科大学, 医学部, 助教 (20716881) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸がん / 化学療法 / バイオマーカー / 逐次療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能進行再発大腸癌の治療戦略の一つに「フッ化ピリミジン系薬剤とBevacizumabの併用から治療を開始し腫瘍増殖後にオキサリプラチンやCPT-11を追加するという逐次療法」が存在するが、その適応となる患者を明確に選別することはできない。本研究では、1,000例を超える大腸癌組織と「オキサリプラチンを用いた逐次療法と併用療法にBevacizumabを加え比較検討を行った無作為ランダム化第III相臨床試験(C-cubed study)」の参加者から得られた大腸癌組織を対象に、Genetic/Epigenetic変異、Tumor-infiltrating lymphocytes(TIL)/HLA class I発現の有無といった免疫疲弊(Immunological 変異)の解析を行い、大腸癌進展速度(進展緩徐か否か)の推定が可能となるMolecular subtypeの同定を試みることを目的としている。C-Cubed studyの主解析結果の報告を行った。この臨床試験検体の腫瘍組織からDNAを抽出しMGMTメチル化の解析を行い予後の比較検討を行った。MGMTのメチル化の有無は予後予測因子とはなり得なかったが、NOSを用いた解析から興味深い結果を得ており、この結果は今後の大腸癌治療に影響を与える可能性が示唆された。免疫学的指標としては、好中球リンパ球比率(NLR)が本臨床試験において予後予測因子となることが確認された。また、本臨床試験の全生存期間のUpdateもようやく終了し、この結果、70歳という年齢で、併用群において予後に差が認められることが明らかとなってきており、今後の化学療法適応における、いわゆる’vulnerable'の年齢における区別の基準となり得る可能性が示唆された。
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