2019 Fiscal Year Research-status Report
がんゲノム解析で蓄積する機能未知遺伝子変異の臨床活用にむけた変異機能推定法の構築
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19K07792
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
芹澤 昌邦 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (00569915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 吉伸 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (00305004)
大島 啓一 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10399587)
釼持 広知 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (50602637)
盛 啓太 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (50727534)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がんゲノム医療 / 分子標的治療 / AI / VUS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究対象の遺伝子において日本人がん患者から検出された体細胞変異に対し選択基準を設けることなく網羅的に機能評価を行う。解析対象変異を培養細胞株において発現するためのプラスミドの構築において、当初有していた技術では繰り返し配列の領域における数十塩基の挿入・欠失などを含む約1~2割の変異に対応できていなかった。本年度行った技術改良により、新たに2種類の変異導入方法を確立した。この3種類の構築方法を適宜選択することでほぼすべての変異に対し対応可能となった。 培養細胞株において解析対象とする変異を一過性で発現するためのプラスミドおよび、Flp-Inシステムによって当該変異を安定的に発現可能な細胞株を樹立するために用いるプラスミドの構築を進めた。EGFR遺伝子の変異78種類、KIT遺伝子の変異43種類、NTRK1遺伝子の変異 18種類の作成を完了した。EGFRについては、複数の変異を複合的に有するプラスミドの構築も行った。 変異の機能解析にあたっては、使用する細胞株が有している野生型遺伝子の影響を排除しバックグランドを低減する必要がある。そこで、ゲノム編集によりEGFRおよびKIT遺伝子のノックアウト細胞株をHEK-293およびNIH-3T3細胞株を用いて樹立した。あわせて、下流のシグナル経路への各変異の影響を評価するLuc assayの検出感度の向上を目的に、使用するLucレポーターの変更と実験条件の最適化を行った。 EGFR変異については、ホモロジーモデリングにより各変異を構築し、定温定圧条件下における分子動力学シミュレーションを行った。使用したEGFRの立体構造モデルは、細胞外ドメインでは3QWQ.pdbを、キナーゼドメインについては3w32.pdbを使用した。MM-GBSA法により、各変異体の物理化学的および構造的変化を反映する数値情報としてギブズエネルギーを算出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析対象の変異体を培養細胞株において発現するためのプラスミドの構築法を新たに開発することで、3種類の方法を使い分けることが可能となり、ほぼ全ての変異に対応可能になっただけでなく、効率よく作ることができるようになった。機能解析に使用する細胞株が有している野生型遺伝子の影響を排除するためのノックアウト細胞株の作成法を確立するとともに、シグナル伝達経路の活性を測定するためのLucレポーターの最適化も行うことができた。EGFRについては、各変異体の物理化学的および構造的変化についての数値情報としてギブズエネルギーの算出を終了することができた。想定外であった点は、分子動力学シミュレーションを行うために導入した静岡がんセンターのサーバーシステムの運用において、オペレーティングシステムと演算を行うためのGPUの間の相性の問題が発生し、その解決に時間を要した点である。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞株において変異体を発現させるためのプラスミドを構築済みの変異については、生物学的評価を着実に進めると共に、並行して進めている分子動力学シミュレーションの解析結果との相関について検討を進める。併せて検討対象とする遺伝子の拡充を進め、受容体チロシンキナーゼだけでなく、MAPキナーゼも評価対象とする。現在は変異の機能評価において関連シグナルの活性を測定することを目的としたLucレポータアッセイによる評価を主軸としているが、活性化に複合体の形成が必要な遺伝子もあるため、変異がその複合体形成に与える影響を調べることができるようにする。すでに、生物発光共鳴エネルギー転移 (BRET)によるタンパク間相互作用の解析の導入の検討を始めており、本年度中に変異の機能評価に用いることができるようにする。
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Causes of Carryover |
研究分担者施設における分子動力学シミュレーション用のコンピューターの導入を次年度において購入する計画に変更したため。 実験学的検討の結果と、分子動力学シミュレーションの結果の相関についての検討を次年度以降に行うため。
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[Journal Article] Assessment of associations between clinical and immune microenvironmental factors and tumor mutation burden in resected nonsmall cell lung cancer by applying machine learning to whole-slide images.2020
Author(s)
Ono A, Terada Y, Kawata T, Serizawa M, Isaka M, Kawabata T, Imai T, Mori K, Muramatsu K, Hayashi I, Kenmotsu H, Ohshima K, Urakami K, Nagashima T, Kusuhara M, Akiyama Y, Sugino T, Ohde Y, Yamaguchi K, Takahashi T.
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Journal Title
Cancer Med.
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Claudin-2 binding peptides, VPDSM and DSMKF, down-regulate claudin-2 expression and anticancer resistance in human lung adenocarcinoma A549 cells2020
Author(s)
Nasako H, Akizuki R, Takashina Y, Ishikawa Y, Shinoda T, Shirouzu M, Asai T, Matsunaga T, Endo S, Ikari A.
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Journal Title
BBA-MOL CELL RES
Volume: 1867
Pages: 118642
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Characterization of Tumour Mutation Burden in Patients With Non-Small Cell Lung Cancer and Interstitial Lung Disease2019
Author(s)
Kobayashi H, Serizawa M, Naito T, Konno H, Kojima H, Mizuno T, Isaka M, Endo M, Nagashima T, Kusuhara M, Urakami K, Ohshima K, Yamaguchi K, Ohde Y, Takahashi T.
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Journal Title
Respirology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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