2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K07803
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
藤原 寿理 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30569322)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | fMRI / 自信 / 意思決定 / 社会的環境下 |
Outline of Annual Research Achievements |
意思決定後の自信が社会的環境や不確実性に応じてどう変動するのかを明らかにするために、Flemingら(2012)の自信に関する先行研究を参考にランダムドットの動き弁別や重ねた2枚の写真の明瞭度弁別課題を作成した。これら弁別問題に対して解答を行わせた直後に、社会的条件として被験者と同じ解答をした人の割合を円グラフで呈示した。この割合は被験者の解答が少数派あるいは多数派になるように事前に操作されており、ランダムに呈示した。課題の半分ではコントロール条件として社会的なフィードバックを呈示しなかった。また、問題に対するリスクを操作するために、被験者には正答の場合には報酬を、誤答の場合には罰金を与えると教示し、課題の始めに金額をランダムに呈示した。 作成した課題を用いて5名の被験者に対し行動の予備実験を行い、課題の時間設定などの微調整を行った。その後さらに3名の被験者に対してfMRIスキャナの中で課題を行わせ、脳活動データの簡単な解析を行い、先行研究で報告されている内側前頭前野の賦活が得られることを確認した。その後、20名の健常被験者に対して本実験を行い脳活動データを収集、簡単な解析を行った。 結果、行動学的にはコントロール条件に比較して少数派の場合には解答に対する自信度が有意に低くなり、一方で多数派の場合には自信度が有意に高くなることが示され、意思決定後の自信が社会的環境により変動することが示された。 自信の変動を反映する脳領域として、側頭頭頂接合部、海馬、線条体や背外側前頭前野の賦活が認められた。これらの賦活はいずれも多数派の条件でのみみられ、少数派の条件での有意な賦活は認められなかった。これらのことから、多数派であることが自信の向上につながり、その際に脳内では他者の行動を観察し、自分の解答を振り返り、大勢の他者と解答が一致したことによる報酬の情報が表現されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題の作成が順調に行え、被験者もたくさん集まったことより、順調にfMRIスキャンが行えた。基本的な解析も順調に進んでおり、学会で発表することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は被験者を増やし、データの収集を行うとともに課題のもう一つのパラメータであるリスクについての解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたデスクトップPCと遺伝子検査キットの購入を初年度は見送ったため余剰金が発生した。翌年度以降に購入予定である。
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Research Products
(1 results)