2019 Fiscal Year Research-status Report
超早期アルツハイマー病におけるリン酸化タンパク質の病態分子機構の解明
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19K07817
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田川 一彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (80245795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 慶大 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (40792205)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 超早期病態 / リン酸化タンパク質 / リン酸化シグナル / MARCKSL1 / MARCKS |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者のグループはアルツハイマー病(AD)モデルマウスと患者脳を用いて網羅的にリン酸化プロテオーム解析を行い、AD病態に関わる17個のリン酸化タンパク質を報告した。17個のAD病態タンパク質は申請者が所属する研究グループ独自の研究成果であり、全て新規のターゲットとなるタンパク質であるため、独自性と創造性のある研究計画である。これらのAD病態タンパク質のうち、ADの超早期(アミロイド凝集前、発症前)にリン酸化が変化するMARCKSとSRRM2についてAD病態への関与を報告してきた。さらにADの病態分子機構を解析すると共に、得られた知見に基づいて診断法と治療法の開発を進めている。本研究計画では、AD病態タンパク質よりADの超早期にリン酸化が変化し、シナプス形成に関わるとされるMARCKSL1を次のターゲットとして、本研究の計画を申請した。 未解析であったMARCKSL1へ焦点を当てた研究を進めることが本申請の第一目的であったが、AD病態タンパク質であるMARCKSとそのトリガーと想定している分子についても並行して研究を進めている。該当年度はMARCKSとトリガー分子について進展があり、当初計画していたエフォートより多くを投入したため、本申請の第一目的が遅れている。しかしながら、本申請と、並行して進めているMARCKSとトリガー分子の研究基盤は共通しており、当初計画通りに進まなかった場合にはAD病態タンパク質の研究へシフトする代案を申請時に一部示しており、その延長線上の報告となる。AD患者あるいはADモデル系を用いてMARCKSとトリガー分子のAD分子病態の解析を進め、AD病態のトリガー分子に対する治療法の基盤研究が進んでいる。また、報告した論文(Tanaka, NatCom. 2020)においてもMARCKSに関わる研究がその基盤部分の一部を担っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請の第一目的はADの超早期にリン酸化に変化がみられ、スパイン形成に関わる事が予想されるMARCKSL1について解析を進めることである。具体的には以下に示す通りに計画していた。(1) MARCKSL1のリン酸化抗体とリン酸化変異体の発現系の作製。(2) ADモデルマウスを用いた免疫染色とウエスタンブロット解析によるリン酸化抗体とリン酸化変化の検証。以上の研究は進めているが完成に至っていない。該当年度のエフォートはMARCKSの解析とそのトリガーと想定してる分子の解析に移行したためである。AD患者あるいはADモデル系動物、iPS細胞におけるMARCKSとトリガー分子のAD分子病態の解析を進めており、ADにおける病態変化の解析を進めている。さらに、AD病態のトリガー分子の作用機序に基づいた治療法の基盤研究も進んでいる。また、この研究の一部は論文(Tanaka, NatCom. 2020)の基盤部分として報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の計画としては、遅れているMARCKSL1の研究と、既に軌道に載ってきたMARCKSとそのトリガー分子の研究を進めていく予定である。 MARCKSL1については、以下の計画を進め相互作用分子の解析の開始を目指す。(1) MARCKSL1のリン酸化抗体とリン酸化変異体の発現系の作製。(2) ADモデルマウスを用いた免疫染色とウエスタンブロット解析によるリン酸化抗体とリン酸化変化の検証。(3-1)既にAD病態への関与を報告したMARCKSとSRRM2との相互作用を免疫沈降等で解析。2021年度としては、(3-2)引き続き(3-1)。(4)MARCKSL1抗体による免疫沈降サンプルのプロテオーム解析によりADモデルにおける相互作用タンパク質の同定とAD病態への関与の検討。MARCKSL1でAD超早期病態への関与が示せなかった場合は、同様に早期で変化しスパイン形成にかかわるNEUM、GPRIN1、HSP90Aの解析へ計画をシフトすることで対応する。 MARCKSとそのトリガー分子の解析については引き続き、AD患者あるいはADモデル系動物、iPS細胞を用いてAD分子病態の解析を進めていく。具体的にはADによる分子病態変化の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究計画に有効な消耗品の購入を目指し、少額の端数を次年度の使用とし有効利用する。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] The intellectual disability gene PQBP1 rescues Alzheimer's disease pathology.2019
Author(s)
Hikari Tanaka, Kanoh Kondo, Xigui Chen, Hidenori Homma, Kazuhiko Tagawa, Aurelian Kerever, Shigeki Aoki, Takashi Saito, Takaomi Saido, Shin-ichi Muramatsu, Kyota Fujita, Hitoshi Okazawa
Organizer
神経科学会 NEURO2019
Int'l Joint Research
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