2021 Fiscal Year Annual Research Report
代謝血流制御による筋萎縮性側索硬化症新規治療法開発
Project/Area Number |
19K07822
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田 智 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70626530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 龍禎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00464248)
清水 幹人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30817507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経変性 / 筋萎縮性側索硬化症 / 低酸素 / 低栄養 / 血流改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はすでに新規プロスタグランジンI2アゴニストであるONO1301の投与により、ALSモデルマウスの脊髄内における虚血・低酸素が改善し、これに伴いALSによる運動麻痺症状の軽症化が見られることを見出している。本効果のメカニズムを更に確認するために、HIF1aの下流にあるシグナル分子の一つであるHSP70を免疫染色で確認した。具体的にはONO1301投与ALSモデルマウス並びに対象治療群ALSモデルマウスの脊髄でのHSP70の発現を比較した。ONO1301による血流改善効果を反映して、ONO1301治療群ではHSP70シグナルの低下を認めた。これらの知見に基づき、脊髄の低灌流・低酸素環境改善が、神経変性抑制に大きな治療効果を持つ可能性があると考え、すでに血管拡張作用を有する薬剤として臨床応用がなされている経口血管拡張薬XをALSモデルマウスに投与することにより、同様の神経保護効果が見られるかどうかを検討した。既報例を参考に、X低用量群、X高用量群と対照群を設定し、モデル動物の運動機能に対する影響を評価した。これらの実験と並行して、髄液中に存在するミトコンドリアDNAがALS病態と脊髄の低酸素環境に及ぼす影響を明らかにするために、ALS患者髄液の収集を行った。コントロール群としては視神経脊髄炎などの神経免疫疾患患者の髄液サンプルを取得し解析を進めたが、その過程の中でNMO患者の髄液中ミトコンドリアDNAは、視神経脊髄炎患者の単球のリクルートに重要な役割を果たしていることを見出した。
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Research Products
(5 results)