2020 Fiscal Year Research-status Report
RNAを標的とした新規ALS/FTLD治療法の検討
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19K07837
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
中川 直 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 講師 (30707013)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / マウスモデル / TDP-43 / RNase / 細胞質凝集体 |
Outline of Annual Research Achievements |
TDP-43タンパク質の細胞質における凝集体形成が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および前頭側頭葉変性症(FTLD)発症の原因と考えられている。しかし、この凝集体の減少を目指した研究はほとんどなされていない。申請者は、培養細胞を用いたこれまでの研究から、TDP-43が自身に結合するRNAを介して凝集体を形成すること、およびTDP-43にRNaseを融合させたタンパク質(T-RNase)が既に形成されたTDP-43凝集体を減少させることを見出した。この研究成果をALSおよびFTLDに対する治療薬へ展開するため、本研究では、T-RNaseが生体内においてもTDP-43の凝集体を減少させ、ALS/FTLDモデルマウスの病的表現型を改善できるか検討することを目的としている。 神経細胞特異的にT-RNaseを発現させる遺伝子改変マウス(T-RNase neuro-Tgマウス)を作製するために、Prpプロモーターの下流にT-RNase遺伝子をつないだターゲティングベクター(Prp-T-RNase)を1年目の研究において作製したため、2年目の研究では、初めに培養細胞を用いて本ベクターの導入によるT-RNaseの発現を確認した。次にこのターゲティングベクターを受精卵に導入し、T-RNase neuro-Tgマウスの作製を試みた。しかし、現在までにターゲティングベクターが導入されたマウスが得られていない。 2年目の研究では、さらに、Prpプロモーターにより、神経細胞特異的にM337V変異型TDP-43(ALS/FTLD患者で同定された変異型)を過剰発現させた遺伝子改変マウスを、ALS/FTLDモデルマウスとして、Jackson laboratoryから購入予定であったが、申請者の研究施設の異動に伴う手続きが遅れ、未だに購入に至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目の研究で作製予定であった、T-RNase neuro-Tgマウスが得られていないものの、ターゲティングベクターは作製済みである。また、2年目の研究において購入予定であったALS/FTLDモデルマウスが未だ購入できていないが、購入し次第速やかに解析を行うことができるように、必要な抗体は購入済みであるうえ、運動神経の解析経験がある研究者に運動神経の解析法を習い、現在技術を習得中である。購入に必要な書類のプロセスも進行しており、近日中に購入可能となる見込みである。このため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
神経細胞特異的にT-RNaseを発現させる遺伝子改変マウス(T-RNase neuro-Tgマウス)を得られていないため、今後さらに受精卵への導入を試みる予定である。また、T-RNaseの発現自体に細胞毒性があり、発生の過程でターゲティングベクターが導入されたマウスが死亡している可能性もあるため、TETシステムを用いた発現誘導系の検討を行っている。 これと並行して、ALS/FTLDモデルマウスを購入し、速やかに解析を行う予定である。必要な抗体は購入済みであるうえ、運動神経の解析経験がある研究者に運動神経の解析法を習い、現在技術を習得中である。現在まで本実験に関しては問題なく行うことができており、解析の遂行は問題ないと考えている。必要に応じて本研究者の助力を願う予定であり、承諾を得ている。
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Causes of Carryover |
納品が年度内に間に合わなかった消耗品があり、次年度使用額となった。当該消耗品を今年度購入予定である。
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[Journal Article] The Autism-Related Protein SETD5 Controls Neural Cell Proliferation through Epigenetic Regulation of rDNA Expression2020
Author(s)
Nakagawa T, Hattori S, Nobuta R, Kimura R, Nakagawa M, Matsumoto M, Nagasawa Y, Funayama R, Miyakawa T, Inada T, Osumi N, Nakayama KI, Nakayama K.
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Journal Title
iScience
Volume: 23
Pages: 1-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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