2022 Fiscal Year Annual Research Report
ノックインゼブラフィッシュを用いたヒトα-シヌクレインの炎症応答性の解析
Project/Area Number |
19K07838
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
守屋 彰悟 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (00793837)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | α-シヌクレイン / ゼブラフィッシュ / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
レビー小体病はα-シヌクレインの異常凝集体を主な構成成分とするレビー小体の存在を特徴とする神経変性疾患の一つである。α-シヌクレインはそのポリマーや異常凝集体が細胞への毒性を示すことから、レビー小体病の発症機構への関与が強く示唆されているものの、その異常凝集体の形成機構の詳細は未だ明らかになっていない。炎症反応がα-シヌクレインのポリマー化や異常凝集体形成へ影響を及ぼしていることが考えられるため、本課題では炎症に対するα-シヌクレインの応答性を解析することを目的とする。4年目はマクロファージ細胞におけるα-シヌクレインの多量体/凝集体形成機構の解明を行った。3年目までに行ったトランスクリプトーム解析により翻訳後修飾関連遺伝子が抽出されたが、これらの遺伝子はマクロファージがα-シヌクレインを取り込んだのちに発現が変動したことから、翻訳後修飾がマクロファージ内でのα-シヌクレインの凝集に関与することが示唆された。研究期間全体を通じてマクロファージがα-シヌクレインの多量体/凝集体を形成・放出し、神経細胞が取り込むことを見出し、その過程へ翻訳後修飾の関与を示した。さらに、この過程において炎症反応が関与していないことも示した。α-シヌクレインは神経細胞から放出され、マクロファージやミクログリアが取り込むことは知られている。本課題によりマクロファージやミクログリアがα-シヌクレインの多量体/凝集体を形成・放出し、神経細胞へ取り込まれることがレビー小体形成のトリガーとなる新たな可能性を示した。
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