2020 Fiscal Year Research-status Report
TDP-43の核移行を制御する一次構造変化と翻訳後修飾の探索
Project/Area Number |
19K07848
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 俊哉 北里大学, 医学部, 教授 (90359703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 義男 北里大学, 理学部, 教授 (60265733)
板倉 誠 北里大学, 医学部, 准教授 (30398581)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | TDP-43 / 翻訳後修飾 / 質量分析 / 筋萎縮性側索硬化症 / 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究の推進方策として提示した(e)と(f)の2項目について進展を示す。 (e)TDP-43濃縮法の開発 TDP-43などの天然変性タンパク質を特異的に沈殿させる方法として、Biotinylated isoxazole(b-isox)分画法が開発されているため(Kato et al. Cell 2012 6 149: 753)、本分画法を用いたTDP-43濃縮を試みたところ、回収率は~1%程度と低く、濃縮率は~10倍程度とTDP-43に対する特異性も充分ではなかったことから、本分画法のみで細胞内局在スイッチを直接同定することは不可能と考えられた。そこでEGFPタグを融合させたTDP-43発現コンストラクトを作成し、培養細胞を用いたスクリーニング系への方策転換を行なった(後述)。 (f)既知の翻訳後修飾から候補を絞って検討 UniProt上で示されているTDP-43の翻訳後修飾は、SUMO化(K79、K84、K95、K102、K181、K263)、リン酸化(S183、S292)、メチル化(R293)のみである。一方、我々が作成したTDP-43部分欠損マウスの結果からは、細胞内局在スイッチが262-348 aaに存在すると想定され、この領域に存在するのは、K263のSUMO化、S292のリン酸化、R293のメチル化であり、これらの翻訳後修飾の中で、同定ペプチド断片内に存在するものはS292のみである。そこでS292のリン酸化を細胞内局在スイッチの候補と考え、Chemical dephosphorylation法の導入も検討したが、本法の効率が予想外に低いことが判明したため、上述した培養細胞系による解析に方策転換し、年度内にHela細胞を用いたスクリーニング系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
翻訳後修飾を同定するために、TDP-43特異抗体による免疫沈降法、Biotinylated isoxazole(b-isox)分画法などを進めたが、充分な濃縮ができず、内在性TDP-43を対象とする解析は非常に困難であった。そこで当初の計画を変更し、上述した培養細胞系によるスクリーニング系に方策転換したため、計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
(g)培養細胞を用いた細胞内局在スイッチの同定 TDP-43のC末領域は構造的に4分割されるため(GaroS1、Hydrophobic、Q/N、GaroS2)、各領域を個別に欠損させたコンストラクトを作成するとともに、細胞内局在スイッチが想定されている領域の小欠損、アラニン置換、翻訳後修飾を擬態した変異などを導入したコンストラクトを作成し、細胞内局在スイッチの実体に迫る予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定を変更し、培養細胞系を使った実験系にシフトしたため、371,558円ほどの残額が生じた。残額については、翌年度分と合わせて消耗品として計上する。
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Research Products
(1 results)