2019 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア品質管理の破綻によるドーパミン神経の脆弱性と特異性の解明
Project/Area Number |
19K07850
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐藤 栄人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00445537)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | パーキンソン病 / Parkin / ミトコンドリア / ドーパミン / 神経細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子PINK1やParkinの変異による機能不全はマイトファジーの破綻をきたし、損傷ミトコンドリアの蓄積が細胞死を引き起こすと推測される。これらの知見の集積はin vitroの研究が中心であるため、生体内で同様な現象が生じているのかという疑問が残る。そこで、Parkin遺伝子改変マウスの解析を実施した。 (Parkinノックアウトマウスの運動症状の特徴) ビーム課題、ロタロッド試験、フットプリントで行動試験を実施したところ、Parkinノックアウトマウスは110週目に運動障害を示し始める。マウスのパーキンソニズムの評価方法は確立されていないが、マウス特有な運動症状として捉えられた。 (Parkinノックアウトマウスで損傷ミトコンドリアが蓄積する) Parkinの生体内での機能を明らかにするために、運動症状を示す110週齢のParkinノックアウトマウスのドーパミン細胞に含まれるミトコンドリアを観察した。Parkinノックアウトマウスでは小さく断片化したミトコンドリアが観察された。この結果は、Parkin変異(欠損)によるマイトファジーの破綻が生じ、本来分解されるべき不良ミトコンドリアが蓄積した結果である。電子顕微鏡による微細構造の観察では、断片化ミトコンドリアは正常な外膜構造を有しているが、内部構造の破壊が顕著である。ミトコンドリア品質管理の破壊による損傷ミトコンドリアの蓄積がin vivoでも生じていることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン病モデルマウス(Parkin 遺伝子欠損マウス)の解析を実施し報告することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
他のパーキンソン病モデルマウスについても同様の解析を実施する。
|
Research Products
(2 results)